ドル円、良好な米雇用統計を受けて一時上昇するも上値は重い(7/3朝)

2日(木)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。

ドル円、良好な米雇用統計を受けて一時上昇するも上値は重い(7/3朝)

ドル円、良好な米雇用統計を受けて一時上昇するも上値は重い

〇ドル円好調な雇用統計に一時107.72まで上昇するも、他指標悪化、連休前の調整に107円台半ばまで反落
〇雇用統計はNFP+450万と過去最大、失業率11.1%に低下
〇ユーロドルは雇用統計受けドル買い強まり1.1236まで下落、独議会はECB債券購入を支持とも
〇ドル円、テクニカル、ファンダメンタルズとも上値の重さ警戒される
〇本日の予想レンジ107.10ー107.80、米国市場休場で海外時間は動意に乏しい展開を想定

海外時間の為替概況

2日(木)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。@株高・原油高を背景とした投資家心理の改善期待(リスク選好の円売り)や、A新型コロナウイルスを巡るワクチン開発への期待感(米ファイザーやバイオンテックが良好な治験結果を出したとの報道)、Bイールドカーブ・コントロール(YCC)の早期導入観測の後退(日本時間早朝に発表されたFOMC議事要旨では、「YCCには更なる分析が必要」との見解で一致)、C米雇用統計の良好な結果(非農業部門雇用者数は前月比+480万人と過去最大を記録。失業率も5月の13.3%から11.1%へ大幅に低下)が支援材料となり、米国時間朝方には、一時107.72まで急伸しました。

しかし、一目均衡表基準線や200日移動平均線をバックに戻り売り圧力が強まると、D米雇用統計と同時刻に発表された米5月貿易収支や米新規失業保険申請件数が不冴な結果となったことや、E米3連休入りを前にしたポジション調整、F香港を巡る米中対立懸念(米上院は中国制裁法案を可決)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、107.55近辺まで反落する動きとなっております。

2日(木)のユーロドル相場は上昇後に急反落。@株高・原油高を背景とした投資家心理の改善期待(リスク選好のドル売り)や、Aフォンデアライエン欧州委員長による「EU復興基金について7/8に協議を行う」との発言(EU復興基金への期待感の高まり)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1303まで上昇しました。しかし、節目1.13をバックに戻り売り圧力(利食い売り)が強まると、B米雇用統計の良好な結果(非農業部門雇用者数は前月比+480万人と過去最大を記録。失業率も5月の13.3%から11.1%へ大幅に低下)や、C上記Bを受けた米長期金利の上昇(ドル買い)、Dドイツ議会は「ECBの債券購入を支持する」との一部報道等が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1236近辺まで値を崩す展開となっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、7/1に記録した高値108.17(約3週間ぶり高値)をトップに反落に転じると、昨日の日本時間朝方には一時107.33まで反落しました。108円台での滞空時間は極めて短く(200日移動平均線をバックに戻り売り圧力が根強い)、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(力強い米雇用統計の結果を受けて一時107.72まで持ち直すも上値は重い)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きな米国=イールドカーブ・コントロール導入の可能性もあり)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念(米上院は7/2、中国制裁法案を可決)、C世界的な貿易戦争再開リスク(米大統領選挙への不確実性が増しつつあり、トランプ米政権による強硬外交が強まる恐れあり)、D朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、E新型コロナ第2波リスク、F日本経済の先行き不透明感(インフレ鈍化→実質金利上昇→円高)、G全米各地で続く人種差別抗議デモなど、ドル円相場の下落を想起させる材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重さ」が警戒されます。新型コロナ第2波リスクを巡るヘッドラインや、米中対立に絡む続報、株式市場の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(但し、本日は米国市場が休場となる為、海外時間は動意に乏しい展開が想定されます)。

本日の予想レンジ:107.10ー107.80

注:ポイント要約は編集部

ドル円、良好な米雇用統計を受けて一時上昇するも上値は重い

ドル円日足

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