ドル円軟調 株価の利益確定売りにリスク選好後退
17日午前の東京市場でドル円は107円台前半で小幅安。朝方は昨晩の米株続伸を受け米株先物、ドル円ともに堅調に推移し、ドル円は朝方107.43近辺まで上昇しました。しかし、日経平均が寄り付きから利喰い売りに押されマイナス圏で始まり、さらに下げ幅を拡大したことで9時台に107.17まで急落しました。その後は仲値公表前に実需とみられるドル買いや、株価の戻しに再び上昇したものの、朝方の高値には到達せず、日経平均、米株先物が再び下落に転じるとドル円も107.20台につれ安となるなど、本日も株価動向に左右される動きとなっています。東京時間正午現在ドル円は107.21レベルの取引、日経平均午前は167円安で終了しています。
朝方発表された本邦5月の貿易統計で貿易収支は8,334億円の赤字。赤字額は予想を下回りましたが、輸出は前年比28.3、輸入は26.2%それぞれ落ち込んでいます。自動車や関連部品の輸出の落ち込みが大きく、地域的には欧米向けの減少が目立ち、特に対米国向け輸出は前年比半分以下に激減しています。一方で中国向けの落ち込みは前年比1.9%減にとどまっており、中国をはじめとするアジア地域での経済の回復が先行している様子がうかがえる内容です。
昨晩海外市場では米5月小売売上高が前月比+17.7%と事前予想+8.4%を大きく上回る回復を見せていたことから、株高、円安が進行し、ドル円は107.62まで上昇する局面もありましたが、パウエルFRB議長が議会証言で、再び景気先行きに対し慎重な姿勢を見せたため株価は上げ幅を縮小し、ドル円も107円台前半に押し戻されてアジア時間を迎えています。
ドル円は株価の上昇に追随しきれず、小刻みに上下動を繰り返している状況です。
感染制圧に成功したと思われていた中国の北京で感染者数が再び増加。北京市は警戒レベルを引き上げ、学校の閉鎖、市外への移動制限を再開しています。このことが、世界的二次感染へのリスクを再認識させていること、北朝鮮が韓国に対する姿勢を硬化させていること等がドル円を含む為替市場では懸念材料となっており、株式市場ほど楽観的になり切れていない印象です。
後場は、米株先物、日経平均等の株価動向や、韓国の大統領特使の派遣を拒否し部隊の展開を始めたと伝えられる北朝鮮の動き次第でドル円は一段安となる可能性があり、要警戒です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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