上値トライ失敗!?さらなる下押しにも要注意(6/9夕)

9日の東京市場は、ドルが弱含み。先週末にレンジを上抜け、一時109.85円まで上昇したものの、110円台乗せに失敗した格好で本日は逆行安。一時107円台も。

上値トライ失敗!?さらなる下押しにも要注意(6/9夕)

上値トライ失敗!?さらなる下押しにも要注意


〇ドル円は108円台半ばから続落して108円を割り込む動きに
〇日中は米中関係のほか、北朝鮮の南北間連絡ルート遮断が話題に
〇ドル円は上方向のトライが騙しだった可能性も、107円台半ばまでの下落を警戒
〇昨日、全米経済研究所が「米経済の拡大は今年2月に終了」と発表したことも相場の流れを一変させたか
〇一方で逆ヘッド&ショルダー形成中との見方も捨てきれず
〇欧米時間のドル円予想レンジ107.50-108.50

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場は、ドルが弱含み。先週末にレンジを上抜け、一時109.85円まで上昇したものの、110円台乗せに失敗した格好で本日は逆行安。一時107円台も。

ドル/円は108.40円前後で寄り付いたのち、しばらくは底堅く推移。108.35-55円といったレンジ取引をたどっていた。しかし、底割れすると、そのまま一気に108円台割れへ。一旦下げ止まると持ち直したが、夕方にかけてドルは再下落となった。結局、日中安値である107.85円レベルまで軟化し、16時現在では小戻した108.00-05円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中対立」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、引き続き香港情勢を中心とした米中対立が取り沙汰されるなか、BBCが報じた米上院議員の発言「中国が新型コロナワクチン開発を妨害している、証拠もある」に、中国外務省が「持っているという証拠を示せ」と再び噛み付いたことが明らかに。また、そうしたなかロイターによると、トランプ米大統領は「ウイグル族弾圧に関与した中国政府当局に対する制裁法案に署名する見通し」だとされ、こちらも両国にとって新たな火種となりかねないとの懸念する声が聞かれていた。
対して後者は、1週間ぐらい前から「金正恩党委員長の妹である金与正党第1副部長が、韓国の大統領府を激しく非難する談話を発表」や「金委員長も出席し党政治局会議を開催」などといった北朝鮮関係の報道がたびたび観測されるなか、同国メディアである労働新聞が「南北間連絡ルートを9日正午以降に遮断」と報じ思惑を呼ぶ格好となった。なお、報道を受けて、ここ数日は強含みだった韓国ウォンが対ドルなどで、やや売り込まれている。

<< 欧米市場の見通し >>

一週間で5円ほど上昇したユーロ/円や同7円上昇のポンド/円などに連れる側面もあったが、同様に2円程度上昇していたドル/円に昨日強烈な打ち返しが入った。テクニカルには、ドルのサポートになると目された108.40円レベルに位置する移動平均の200日線を下回って推移するなど、上方向のトライがダマシだった可能性も否定出来ないだろう。なお、5月安値105.99円を起点としたフィボナッチでは、次の下値メドは61.8%にあたる107円半ば。もう一段の下押しにも一応要注意。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「全米に広がるデモ活動」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と、「全米に広がるデモ活動」の動きになる。また、先週末に発表された米雇用統計が良好で期待が先行していた感のある米景気回復だったが、昨日、全米経済研究所が「米経済の拡大は今年2月に終了」などと発表し、水を差したことも相場の流れを一変させた。後者であるならば、しばらくは発表される経済指標を中心とした米ファンダメンタルズ要因にも注意を払いたい。

昨日筆者は、テクニカルの観点から「ドル/円が5月安値105.99円を中心とした逆ヘッド&ショルダーを形成中、といった見方も一部で取り沙汰されている」とレポート。そのうえで、一時的にショルダー部分にあたる108円半ば程度までのプルバックをたどる可能性もある−−と指摘したが、実勢相場はそれ以上の戻りをたどってきた。
ともかく、一見するとドルの上値トライは失敗に終わった格好にあるが、「逆ヘッド&ショルダー形成中」との見方が正しいとすれば、実は下値トライこそがダマシ。早々にボトムをつけるとドルは再上昇、2度目の110円超えへと向かう可能性もある。

本日、4月のJOLT雇用動態調査や同卸売売上高などが発表される予定となっている。正直それほど注目度の高い指標ではないが、先でも指摘したように米ファンダメンタルズへの関心が高まっているだけに、その内容には一応要注意。
また、米財務省による10年債の入札や明日までの予定で実施される米FOMC、EU財務相理事会、OPEC総会なども気掛かりだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.50-108.50円。移動平均の200日線が位置する108.40円レベルや、本日東京高値にあたる108.55円をめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ109円台回復がみえてくる。
対するドル安・円高方向は、東京安値の107.85円レベルが最初のサポート。割り込んだ場合には、移動平均の25日線などが位置する107.70円レベルや、フィボナッチのサポート107円半ばなどがターゲットに。


注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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