ドル円、節目108円丁度を割り込み続落。FOMC前のポジション調整が背景
〇ドル円1週間ぶり安値107.63まで続落
〇ユーロドルは欧州時間にかけ一時1.1242まで下げ幅を広げるも1.13台に反発
〇ドル円はテクニカル、ファンダメンタルズとも上値の重さ意識される
〇FOMCではイールドカーブコントロールについての議論の有無に注目
〇引き続きドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ107.20ー108.40
海外時間の為替概況
9日(火)の外国為替市場でドル円は急落。@110円トライ失敗に伴う短期筋の見切り売りや、A米FOMC(連邦公開市場委員会)を前にしたポジション調整、B米長期金利低下に伴うドル売り圧力、C200日移動平均線を下抜けしたことに伴うロング勢のロスカット、D株安・原油安を背景としたリスク回避の円買い圧力(リスクオンの巻き戻し)が重石となり、米国時間にかけて、一時107.63まで急落しました(約1週間ぶり安値)。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時00分現在)では、107.72近辺で推移しております。
9日(火)のユーロドル相場は下落後に急反発。@節目1.1400トライ失敗に伴う短期筋の見切り売りや、A株安・原油安を背景としたリスク回避のドル買い圧力、Bドイツ4月輸出統計の冴えない結果(1990年以来最大の減少)が重石となり、欧州時間にかけて、一時1.1242まで下げ幅を広げました。しかし、C米長期金利の低下(ドル売り)や、D米FOMC(連邦公開市場委員会)を前にしたポジション調整(ドル売り)が支援材料となると、米国時間にかけて急伸し、一時1.1365まで上昇する場面も見られました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時00分現在)では、1.1345近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、先週末金曜日(6/5)に記録した約2カ月半ぶり高値109.86をトップに反落に転じると、昨日は一時107.63まで急落しました(わずか2営業日で2.23円の下落幅)。この間、一目均衡表転換線や200日移動平均線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表基準線を下抜けした他、バンドウォーク(ボリンジャーバンド上限に沿って上昇を続ける状態)も終了するなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(※心理的節目110円トライ失敗に伴う見切り売り→200日線割れに伴うロスカット)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きい米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、D新型コロナの第2波リスク、E日本経済の先行き不透明感(実質金利上昇→円高)など、ドル円の下落を想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「上値の重さ」が意識されます。世界的な外出規制緩和に伴う景気回復期待は既に織り込まれつつある状況であり、ここから先は「リスクオンの巻き戻し」に警戒が必要な時間帯となりそうです。米中対立を巡るヘッドラインや、米主要経済指標の結果(米5月消費者物価指数など)、米FOMCにてイールドカーブコントロールについての議論があるか否か(イールドカーブコントロールの導入が現実味を帯びれば、米長期金利低下→ドル売りの経路と、金融株下落→リスク回避の円買いの2つの経路に注意)、欧米株や原油先物価格の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:107.20ー108.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.06.10
ドル円見通し 米雇用統計までの上昇を解消する下落、仕切り直しでFOMC待ち(6/10)
9日のNYダウは7日ぶりに反落した。欧州株も英FT100指数が前日比2.1%安、ドイツDAX指数が1.6%安など欧州株はほぼ全面安となった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2020.06.09
上値トライ失敗!?さらなる下押しにも要注意(6/9夕)
9日の東京市場は、ドルが弱含み。先週末にレンジを上抜け、一時109.85円まで上昇したものの、110円台乗せに失敗した格好で本日は逆行安。一時107円台も。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。