ドル円、節目108円丁度を割り込み続落。FOMC前のポジション調整が背景(6/10朝)

9日(火)の外国為替市場でドル円は急落。

ドル円、節目108円丁度を割り込み続落。FOMC前のポジション調整が背景(6/10朝)

ドル円、節目108円丁度を割り込み続落。FOMC前のポジション調整が背景

〇ドル円1週間ぶり安値107.63まで続落
〇ユーロドルは欧州時間にかけ一時1.1242まで下げ幅を広げるも1.13台に反発
〇ドル円はテクニカル、ファンダメンタルズとも上値の重さ意識される
〇FOMCではイールドカーブコントロールについての議論の有無に注目
〇引き続きドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ107.20ー108.40

海外時間の為替概況

9日(火)の外国為替市場でドル円は急落。@110円トライ失敗に伴う短期筋の見切り売りや、A米FOMC(連邦公開市場委員会)を前にしたポジション調整、B米長期金利低下に伴うドル売り圧力、C200日移動平均線を下抜けしたことに伴うロング勢のロスカット、D株安・原油安を背景としたリスク回避の円買い圧力(リスクオンの巻き戻し)が重石となり、米国時間にかけて、一時107.63まで急落しました(約1週間ぶり安値)。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時00分現在)では、107.72近辺で推移しております。

9日(火)のユーロドル相場は下落後に急反発。@節目1.1400トライ失敗に伴う短期筋の見切り売りや、A株安・原油安を背景としたリスク回避のドル買い圧力、Bドイツ4月輸出統計の冴えない結果(1990年以来最大の減少)が重石となり、欧州時間にかけて、一時1.1242まで下げ幅を広げました。しかし、C米長期金利の低下(ドル売り)や、D米FOMC(連邦公開市場委員会)を前にしたポジション調整(ドル売り)が支援材料となると、米国時間にかけて急伸し、一時1.1365まで上昇する場面も見られました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時00分現在)では、1.1345近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、先週末金曜日(6/5)に記録した約2カ月半ぶり高値109.86をトップに反落に転じると、昨日は一時107.63まで急落しました(わずか2営業日で2.23円の下落幅)。この間、一目均衡表転換線や200日移動平均線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表基準線を下抜けした他、バンドウォーク(ボリンジャーバンド上限に沿って上昇を続ける状態)も終了するなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(※心理的節目110円トライ失敗に伴う見切り売り→200日線割れに伴うロスカット)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きい米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、D新型コロナの第2波リスク、E日本経済の先行き不透明感(実質金利上昇→円高)など、ドル円の下落を想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「上値の重さ」が意識されます。世界的な外出規制緩和に伴う景気回復期待は既に織り込まれつつある状況であり、ここから先は「リスクオンの巻き戻し」に警戒が必要な時間帯となりそうです。米中対立を巡るヘッドラインや、米主要経済指標の結果(米5月消費者物価指数など)、米FOMCにてイールドカーブコントロールについての議論があるか否か(イールドカーブコントロールの導入が現実味を帯びれば、米長期金利低下→ドル売りの経路と、金融株下落→リスク回避の円買いの2つの経路に注意)、欧米株や原油先物価格の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:107.20ー108.40


注:ポイント要約は編集部

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