ドル円107円台後半、日銀臨時政策決定会合には反応薄
〇ドル円は107円台後半での小動き
〇日銀は臨時政策決定会合で新たな30兆円の支援融資枠を含むプログラム導入を決めるも為替は反応薄
〇中国全人代開幕、20年の経済成長率目標設定見送り、香港版国家安全法が米中の新たな火種に
〇イベント通過、重要な経済イベントもなくしばらくは様子見か
22日午前の東京市場でドル円は107円台後半での取引。朝方107.60台で取引が始まり実需絡みとみられるドル買いに10時前107.76まで上昇しましたがその後失速。東京時間正午現在は再び107.60レベルで取引されています。
昨晩の海外市場では経済活動再開への期待と米中関係悪化懸念がせめぎあう形となりドル円も明確な方向感を示すには至りませんでした。
日本銀行は本日8年半ぶりとなる臨時政策決定会合を開催し、新型コロナウイルス感染拡大で資金繰りが悪化している企業や個人事業主支援のため、新たな30兆円の無利子無担保を中心とする融資を含む総枠75兆円の新型コロナ対応特別プログラムの導入を決めました。また、新型コロナウイルスの影響を注視し、必要なら躊躇なく追加緩和を実施する方針を示しました。尚、本日総裁記者会見は実施されないとのことです。
ただ、市場の一部がさらに踏み込んだ形の緩和策を期待していたこともあり、政策発表後ドル円ははやや円高に反応。いずれにせよ値動きは限定的なものでした。
本日から、コロナウイルス感染拡大で延期されていた中国の全国人民代表会議が開催され、注目を集めています。冒頭の政府活動報告で中国は2020年の経済成長率目標設定を見送ることを決め、景気対策として財政出動の拡大方針を示しました。
また今回の香港での国家分裂や中央政府の転覆などの行為を禁じる「(香港)国家安全法」が議題になることが明らかになっており、香港の民主派の猛反発を招くとともに、中国との対決姿勢を先鋭化させている米トランプ政権も、制裁措置を含めた強い牽制を行う姿勢で臨んでおり、新たな米中間の火種としても要注意です。
テクニカルにはドル円は5/19に108円台の維持に失敗して以降は徐々に上値を切り下げる一方で、下値も切り上げてきており、やや膠着状態。一目均衡表の「雲」の中に沈む形となっています。本日は大きなこの後に大きな経済指標の発表等はなく、全人代の議論を注視しながら様子見気分の強い相場展開となりそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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