ドル続伸期待も、FRB議長らの議会証言注視(5/19夕)

19日の東京市場は、ドルが強含み。107円前半を中心とした30ポイントにも満たないレンジ取引だったが、「寄り付き安・大引け高」の様相だった。

ドル続伸期待も、FRB議長らの議会証言注視(5/19夕)

ドル続伸期待も、FRB議長らの議会証言注視

〇ドル円は東京市場で狭いレンジながら強含み
〇夕刻は日中最高値圏の107円台半ばで推移
〇ワクチン開発報道、原油先物価格の反発等市場に明るいニュースはあるものの為替の反応は鈍い
〇パウエルFRB議長とムニューチン米財務長官の上院公聴会での証言、に注目
〇市場ではドル円の続伸期待が強いか
〇欧米時間のドル円予想レンジ107.00-108.00

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場は、ドルが強含み。107円前半を中心とした30ポイントにも満たないレンジ取引だったが、「寄り付き安・大引け高」の様相だった。

ドル/円は、寄り付いた107.25円レベルを日中安値に、レンジは狭いがドル堅調裡。途中107.45円レベルで上げ渋る局面も観測されたが、終盤にかけて上抜けると上げ幅を拡大させ、一時107.50-55円へ。16時現在では日中のドル最高値圏である107円半ばで推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨やポンドは、やや荒っぽい値動き。とくにポンドは、対円で日中安値から一時1円程度の上昇をたどっていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナの治療薬をめぐる動き」と「WHOにおける米中対立」について。
前者は、米バイオ医薬ベンチャーのモデルナが、新型コロナウイルス向けワクチンの臨床試験で「投与した患者全員に抗体が確認された」と発表したことが市場の話題を一時席巻した。そして、昨日のNYダウがザラ場ベースで1000ドル超の上昇を記録した原動力になっていたという。また、それとは別に、トランプ米大統領が新型治療薬候補として挙げられている抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」を服用中だと明らかにしたことも一部で話題に。

対して後者は、事前予想されていたように開催されたWHO年次総会を舞台に米中がバチバチとやり合う動きに。台湾が不参加になったことを材料に、米国務長官が「テドロス事務局長は中国の圧力にさらされ、台湾を招待しないことを選んだ」などと発言しWHOや中国に対し非難の姿勢をみせたほか、トランプ大統領からも「WHOは中国の操り人形」とした痛烈な皮肉が聞かれていた。一方、中国は習国家主席が「透明性をもって情報提供してきた」と反論したことに加えWHOに20億ドルの資金拠出を表明、米国などの批判をかわす姿勢もうかがわせている。

<< 欧米市場の見通し >>

前述したように、新型コロナのワクチン開発への期待をもたせる報道が観測されると、市場が好感している。また、一時33ドル台まで上昇したNY原油先物価格も、市場の不安感を後退させていた。金融市場全般としては、先行きにやや明るい兆しもうかがえるものの、如何せんそうしたニュースや情勢が為替市場の値動きにはあまり反映されていないことが気掛かりではある。とは言え、いつ動意しても良いように、準備だけは怠らないようにしておきたい。

材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「コロナ治療薬をめぐる動き」など、注目要因は依然として山積みの状況。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」に関連するニュースで、昨日市場を一時席巻したワクチン開発をめぐる動きなどには引き続き注意を払いたい。また、本日はパウエルFRB議長とムニューチン米財務長官が上院公聴会で証言を行うことから、そちらを警戒する声も少なくない。

テクニカルに見た場合、先週末のドル高値107.43円を上抜けてきたものの、値が跳ねることもなし。ただ、ジリジリとした動きのなか、直近高値の107.76円や108円をうかがう展開が予想されている。つまりドルの続伸期待が市場では強いようだ。
それに対するサポートは、現在上回って推移している移動平均の25日線(107.15-20円)。NYクローズで再び下回ってくるようだとドルの上値トライはダマシの可能性あるだろう。

本日、4月の住宅着工件数といった米経済指標が発表される予定となっており、当然それらには要注意である。また、本日は先で取り上げたFRB議長らの議会証言に加え、ミネアポリス連銀総裁やボストン連銀総裁による講演なども実施される見込みとなっている。当局者らの発言機会が多いだけに、それぞれのコメントにも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.00-108.00円。本日東京高値である107.50-55円をめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ、直近高値の107.76円や108円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、弱いサポートが位置する東京安値を含む107.20-25円がまずは意識されそうだ。ただ、割り込んでも底堅そうで、前回安値106.74円はすでに少し遠い存在となったイメージもなくはない。

ドル続伸期待も、FRB議長らの議会証言注視

ドル円日足

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