ドル円、日銀による臨時会合開催報道を受けて急伸。追加緩和期待高まる。
〇ドル円は一時108円台に急伸
〇日銀が5/22に臨時会合を開催すること等が材料に
〇その後は米株下落やパウエルFRB議長の議会証言での緩和継続発言等が重石となり反落
〇ユーロドルは1.0976まで上昇後に急反落
〇ドル円のテクニカルで一目均衡表三役好転が成立中立から強気転換へ
〇ファンダメンタルズも改善、ドル円の地合いの強さ印象付ける
〇中長期的の下落見通しを維持しつつも、短期的には底堅く推移か
〇本日の予想レンジ 107.40ー108.20
注:ポイント要約は編集部
海外時間の為替概況
19日(火)の外国為替市場でドル円は急伸。@世界的な外出規制の緩和(新型コロナウイルスに伴う都市封鎖の緩和)を受けた楽観ムードの広がりや、A米政府による第4弾景気支援策への期待感、B堅調な株式市場や原油先物価格を受けた投資家心理の改善期待(クロス円上昇→ドル円連れ高の動き)、C日銀が5/22に臨時の金融政策決定会合を開催するとの一部報道(追加緩和期待→円売り)が支援材料となり、米国時間には、4/17以来、約1ヵ月ぶり高値となる108.08まで急伸しました。しかし、200日移動平均線108.29に続伸を阻まれると、D米主要株価指数が反落に転じたこと(※前日に急伸した米バイオ医薬ベンチャーのモデルナの急落)や、EパウエルFRB議長による「実質ゼロ金利を景気回復の確信が得られるまで維持する」「あらゆる手段を講じる」との発言が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、107.72近辺まで押し戻される展開となっております。
19日(火)のユーロドル相場は上昇後に急反落。@世界的な外出規制の緩和(新型コロナウイルスに伴う都市封鎖の緩和)を受けた楽観ムードの広がりや、Aワクチン開発への期待感、Bドイツとフランスが欧州連合加盟国の経済再建のために5000億ユーロの基金設立を提案したこと(※欧州委員会は昨日、融資と交付金による1兆ユーロ超の新型コロナウイルス復興計画を5/27に提示する発表)、Cドイツ5月ZEW景況感調査(結果51.0、予想32.0)の力強い結果が支援材料となり、欧州時間には、一時1.0976(5/4以来の高値)まで急伸しました。しかし、心理的節目1.1000を前に伸び悩むと、D英国政府によるグローバル関税計画の発表や、E欧州経済に対する悲観的な見方が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、1.0925近辺まで押し戻される展開となっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、5/6に記録した安値105.98をボトムに反発に転じると、昨日は約1ヵ月ぶり高値となる108.07まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや雲上限を上抜けした他、昨日は強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転も成立するなど、テクニカル的に見て、中立→上昇へのトレンド転換が意識されます。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日銀による追加緩和観測の高まり(5/22に臨時会合を開くとの報道あり)や、A世界的な外出規制の緩和(新型コロナウイルスがピークアウトしたとの期待感→リスク回避ムードの後退→円ロングのアンワインド)、B米主要株価指数や原油先物価格の堅調推移(WTI原油は波乱なく6月限の納会を通過)など、ここに来て、クロス円上昇→ドル円連れ高を想起させる好材料が増えつつあります。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「地合いの強さ」が確認されます(一目均衡表三役好転が成立したことで弱気→強気へのトレンド転換を示唆)。今週末に予定されている日銀の臨時会合をこなすまでは追加緩和観測を背景とした円売り地合いが続くと見られ、当方では中長期的なドル円下落見通しを維持しつつも、短期的には底堅く推移すると予想いたします(週末にかけて200日移動平均線を試す動きを想定)。尚、本日は日本時間9時55分に予定されている5ー10日公表相場(ドル円不足→ドル円上昇を連想)や、10時30分の中国人民銀行による最優遇貸出レートの発表に注目が集まります。
本日の予想レンジ:107.40ー108.20
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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