ドル円小動きの中 堅調推移
〇ドル円は107.30付近で堅調推移
〇日経平均午前は序盤の上げを失いマイナス圏へ
〇中国の工業生産回復、統計局は経済持ち直しに言及
〇昨晩トランプ大統領は「強いドル」支持表明
〇トランプ大統領の中国との対決姿勢鮮明化が懸念材料
〇テクニカルにはドル円は「雲」の上限付近、上抜けると108円台前半への上昇余地も
15日午前の東京市場でドル円は107円台前半で底堅く推移。昨晩NY市場でドルが買い戻された流れを受け、107円台を回復して取引が始まり、一時107.43の高値をつけた後、正午現在は107.30-35レベルでの取引です。日経平均株価は米株上昇を受け、窓を開けて2万円台を回復して取引が始まりましたが、米中対立激化懸念で反落、結局マイナス圏に転じ60円安の19,854円で午前の取引を終了しています。
朝方発表された本邦4月の企業物価指数は前年比-2.3%と前月(-0.4%)、事前予想(-1.4%)比悪化。
一方、午前中に発表された中国の小売売上高は前年比-7.5%と事前予想-6.0%を下回ったものの前月(-15.8%)より改善、同工業生産に至っては前年比+3.9%と増加に転じており、中国国家統計局は「中国経済は徐々に持ち直しつつある」「中国には回復の勢いを維持する環境が整っている」等コメントしています。
昨晩の海外市場では序盤は新規失業保険申請者数が予想比悪化したことから106円台に反落する場面もありましたが、トランプ大統領はFOXビジネスのインタビューで「強いドル」を支持する発言を行ったことなどから反発し、107円台前半でアジア時間につないでいます。
昨晩金融市場でははややリスクセンチメントが改善する流れとなりましたが、コロナウイルス起源問題をきっかけに米中対立が再燃しており、貿易、ウイルス開発競争とハッキング避難、WHOの台湾オブザーバー参加問題と戦線が急速に拡大しています。トランプ大統領は昨晩中国との断交を示唆し、「中国主席とは今は話したくない」と発言するなど、大統領選をにらんでか中国との対決姿勢を鮮明化させており、金融市場の先行きに暗い影を投げかけています。
テクニカルにはドル円は小動きながら堅調を維持していることで21日線(本日107.12レベル)をここまでクリア、一目均衡表の「雲」の上限(107.30)付近です。同水準には基準線(107.29)もあり、ここを明確にクリアすると108.28にある200日移動平均線付近までの上昇余地が広がりそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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