ECBの金融政策注視、米経済指標にも要注意(4/30夕)

30日の東京市場は、ドルが小安い。昨日記録した直近安値106.37円に一時接近する局面も観測されている。

ECBの金融政策注視、米経済指標にも要注意(4/30夕)

ECBの金融政策注視、米経済指標にも要注意

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場は、ドルが小安い。昨日記録した直近安値106.37円に一時接近する局面も観測されている。

ドル/円は106.60-65円でオープンしたのち、当初はドル買い優勢。月末ゴトー日ということでの仲値不足観測などもあり、106.85-90円まで値を上げた。しかし仲値が決定し需給要因が剥げ落ちると、一転してドル売り・円買いが優勢に。夕方にかけては、日中安値106.40円レベルまで下落したのち、16時現在では106.55円前後で推移、欧米時間を迎えた。
なお、為替市場は前述したドル/円をはじめ、全般的に小動きにとどまるなか韓国ウォンは堅調裡。ドル/ウォンは1200の大台割れをうかがう局面も観測されている。韓国当局が、国内で新たに新型コロナウイルスに感染した人は報告されなかったと発表したことが好感されていたという。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「新型コロナをめぐる米中の対立」について。
前者は、「集計方法を変更した結果」とはいえ、英国の新型コロナウイルス感染による死者数が米国とイタリアに次いで世界3番目の多さになったことが明らかにされた。それもあり、一部の周辺国では実施され始めている国内ロックダウン(都市封鎖)の解除は先送りされた感を否めず、マーケットでも失望を誘うと同時に、警戒感を高める格好に。
対して後者は、中国共産党系の環球時報が社説で、「米政府は新型ウイルスとの戦いにおける失敗を認め、国民に謝罪すべき」と主張した反面、FOXニュースによると米国務長官は発生源に疑念を抱くなか、「中国武漢ウイルス研究所への立ち入りを要求した」という。なお、そうしたなかトランプ米大統領から「中国はわたしが選挙で敗れることを望んでいると思う」、「中国への報復という点では多くのことが可能」との発言が観測された。

<< 欧米市場の見通し >>

今週最大の注目要因は、日米欧の中銀による政策金利発表。週初の日銀に続き、昨日は米国のFRBが事実上のゼロ金利政策と量的緩和の継続を決定したうえ、パウエル議長は記者会見でゼロ金利の長期化を示唆している。具体的な「いつまで」という言及こそなかったものの、FRBの発表が為替市場でドル売り・円高の一因になっていた感も否めない。そして、本日は三中銀の掉尾を飾るものとしてECBがやはり金融政策を発表する見込みだ。その内容への関心も高い。
材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として多い状況だ。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題で、関連事象としてWHOによる緊急事態宣言発令から3ヵ月経過を受け行われる「専門家による緊急委員会」の行方なども注視されている。また、若干落ち着いてきた感もあるが、週間ベースの新規失業保険申請件数を中心とした米経済指標の発表にも一応注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、過去2週間ほど推移してきたレンジの下限106.93円をしっかりと下回った感があり、昨日は106.37円までドルは続落している。そのため、リスクという意味ではドル安方向なのだが、思いのほか底堅く、一部からはかつてのレンジを切り下げた106円台を中心とした新レンジの形成も取り沙汰されていた。昨日安値は、フィボナッチで見た場合のテクニカルポイント(106.45円)とも誤差の範囲内にあたることもあり、底割れの有無が予想以上に注視されているようだ。

本日、3月のPCEデフレーターや4月のシカゴ購買部協会景気指数のほか、週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定となっている。それぞれ要注意だが、新規失業保険申請件数については、過去2週間わずかながら改善傾向がうかがえるだけに、さらなる改善を期待する声もなくはない。ちなみに、今回の予想値は350万件程度で、前週(442.7万件)よりさらに改善するとの見方が有力だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.10-107.10円。ドル高・円安方向は、本日東京高値を含めた106.80-107.00円が最初の抵抗。超えた場合には、107.30-40円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日と本日ここまで2度トライして割り込めていない106.35-40円をめぐる攻防にまずは注目。その近くには、フィボナッチで見たテクニカルポイントも位置している。割り込むと次は106円、そして105.80円レベルが意識されそうだ。

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(ドル円 時間足)

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