ドル円レンジ下限割れ、ドルの下値余地拡大か(4/29夕)

29日の東京市場は、円が小高い。ドル/円は早朝を高値に右肩下がりとなり、一時106円半ばと直近安値を更新する局面も観測されていた。

ドル円レンジ下限割れ、ドルの下値余地拡大か(4/29夕)

ドル円レンジ下限割れ、ドルの下値余地拡大か

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場は、円が小高い。ドル/円は早朝を高値に右肩下がりとなり、一時106円半ばと直近安値を更新する局面も観測されていた。

ドル/円は106.85円前後でオープンしたのち、しばらくは底堅い。しかし、ドルがオセアニア通貨を中心とした全面安商状をたどるなか、ドル/円も底割れすると緩やかな右肩下がりの展開となった。昨日記録した安値106.57円を一時下回ると、そのまま安値圏をキープ。結局、16時現在では日中安値圏の106.50-55円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「新型コロナを受けた米中対立」について。
前者は、引き続き金正恩委員長の容体について、様々な情報が飛び交うなか、重体説を背景とした後継者問題なども一部で取り沙汰されていた。ちなみに、巷の下馬評では金委員長の で妹である金与正氏が最有力との見方が取り敢えず一般的。また、それとは別に、ロイターが報じた「北朝鮮は今週にも代表団を中国に派遣し、食糧支援や貿易問題について協議する見通し」との内容も一部で話題に。
対して後者は、これまでの「コロナ起源説」あるいは「発祥地」をめぐる米中対立がさらに深化している。たとえば、中国外務省の耿報道官は、中国が医療用品を自国内にため込んでいたとするナバロ米大統領補佐官の主張を否定し、同補佐官を「うそつき」だと非難したと報じられている。また、別に日経新聞は「米中の対立が医療品に広がってきた」と指摘したうえで、「新型コロナが新たな火種を生んでいる」と記事を結んでいた。

<< 欧米市場の見通し >>

今週最大の注目要因は、日米欧の中銀による政策金利発表。週初の日銀に続き、本日NY時間には米国のFRBが金融政策を公表する予定となっている。なお、今回のポイントのひとつとして、「事実上のゼロ金利をいつまで続けるのか、フォワードガイダンスに注目」されるなか、28日付の米紙WSJは「FRBが中銀の定義を変えつつある」としたうえで、「コロナ危機で未踏の領域へ」と指摘。政策を大いに期待させる内容を報じていた。果たして、どういった結論を導きだすのだろうか注目だ。

材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として多い状況にある。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題だが、本日に限れば先で取り上げた米FOMCならびにFRB議長の記者会見を注視したい。また、発表される第1四半期の米GDP速報値も要注意で、事前予想値はというと前回のプラス2.1%から一変し、マイナス4.0%程度を見込む向きが多くなっていたが、波乱の数値となる可能性はあるのだろうか。

テクニカルに見た場合、過去2週間ほど推移してきたレンジの下限106.93円を昨日下回っただけでなく、本日東京時間にわずかながらドルは続落している。「ダマシ」の可能性にも要注意だが、基本的なリスクはドル安方向にバイアスか。3月に記録した年初来安値101.19円を起点とした上げ幅のフィボナッチでは、半値戻しが106.45円レベルにあたり、そのレベルをめぐる攻防にまずは要注意。ただ、下回ると、やや遠いものの同61.8%押しの105.20円レベルがターゲットに。

本日この後は1-3月期のGDP速報や3月の中古住宅販売成約指数等の米経済指標が発表される予定となっている。改めて指摘するまでもなく、最近発表される米指標はこぞって悪い内容が多く、また仮に本日の指標が予想を上回る内容だったとしても、第2四半期(4-6月)のデータがさらに悪化することは確実で、大きな買い要因とはなりにくいとの見方も聞かれている。
また、それとは別に、引き続き欧米企業の決算発表にも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.00-107.00円。ドル高・円安方向は、昨日NYでドル急落後の戻り高値である107円レベルが最初の抵抗。超えた場合には、それでのサポートだった107.30-40円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値にあたる106円半ばをめぐる攻防にまずは注目。その近くには、フィボナッチで見たテクニカルポイントも位置している。割り込むと次は106円、そして105.80円レベルが意識されそうだ。(了)

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