ドル円、テクニカル主導で約1ヶ月半ぶり安値圏へ急落。米GDPとFOMCがメインイベント(4/29朝)

28日(火)の外国為替市場でドル円は下落。

ドル円、テクニカル主導で約1ヶ月半ぶり安値圏へ急落。米GDPとFOMCがメインイベント(4/29朝)

ドル円、テクニカル主導で約1ヶ月半ぶり安値圏へ急落。米GDPとFOMCがメインイベント

海外時間の為替概況

28日(火)の外国為替市場でドル円は下落。@前日開催された日銀金融政策決定会合後の材料出尽くし感(緩和限界論の台頭)や、A原油先物価格の不安定化を受けたリスク回避ムード(投資家心理の悪化)の再燃、B直近安値106.93を下抜けたことに伴う短期筋のロスカット発動が重石となり、米国時間朝方にかけて、3/17以来、約1ヶ月半ぶり安値となる106.57まで急落しました。その後は、ロンドンフィキシングに絡むドル買いフローを受けて持ち直す場面も見られましたが、107円手前では戻り売り意欲も根強く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、106.87近辺で推移しております。尚、この日発表された米・4月リッチモンド連銀製造業指数(結果▲53、予想▲42)、米・4月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果86.9、予想88.0)は共に市場予想を下回る冴えない結果となっております。

昨日のユーロドル相場は上値の重い展開。@新型コロナウイルスに関する楽観的な見方の広がり(欧州圏における感染者数がピークを迎えつつあるとの見方)や、AFRBによる大規模量的緩和を受けたドル売り圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、一時1.0890まで上昇しました。しかし、心理的節目1.09ちょうどを前に伸び悩むと、Bロンドンフィキシングに絡むユーロ売り・ドル買いフローや、Cフィッチによるイタリア国債の格下げ決定(BBB-)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.0819付近まで押し戻される展開となっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、4/6に記録した高値109.39をトップに反落に転じると、昨日は約1ヶ月半ぶり安値となる106.57まで下落しました。この間、ボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線、一目均衡表転換線や同基準線を下抜けするなど、テクニカル的に見て、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります。目先は一目均衡表雲下限106.70をクリアに下抜けられるか否かに注目が集まります(昨日は一時的に下抜けするも騙しとなって反発)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きい米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大長期化懸念(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F原油先物価格の不安定化(5/19の納会に向けて再び下落するリスクを警戒)、G本邦における先行き不透明感(緊急事態宣言発動後の実体経済への下押し圧力)など、ドル売り・円買いを連想させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重い」展開が想定されます。米FRBによる量的緩和拡大(ドル売り要因)や、米経済指標の不冴な結果(ドル売り要因)、本邦経済のリセッション懸念(デフレ懸念台頭→円の実質金利低下→円高)、原油先物価格の不安定化(株安・円買い要因)、米中対立再燃リスク(株安・円買い要因)が重石になると見られ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(※本日は本邦祝日となるためアジア時間帯は静かな動きが見込まれます。但し、海外時間は米主要企業の決算発表や米1ー3月期の実質GDP速報値、FOMCなどが予定されており、ボラティリティの拡大に注意が必要です。尚、FOMCでは政策変更は見込まれておらず、日本時間30日午前3時30分に予定されているパウエル議長の記者会見に注目が集まります)。

本日の予想レンジ:106.20ー107.20

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ドル円日足

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