ドル円は107円割れ再トライか、下放れ期待の声も(4/28夕)

28日の東京市場は、ほぼ横這い。107円前半における20ポイント程度のレンジ取引で、方向性は乏しかった。

ドル円は107円割れ再トライか、下放れ期待の声も(4/28夕)

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28日の東京市場は、ほぼ横這い。107円前半における20ポイント程度のレンジ取引で、方向性は乏しかった。

ドル/円は107.15円前後でオープンしたものの、積極的な動意に欠ける。107.15-35円といった20ポイント程度のなかでの一進一退に。目立った動きがないまま、16時現在では107.20-25円で推移、欧米時間を迎えている。
日経平均をはじめとする日米株価も総じておとなしく、為替市場が変動要因は全般的に乏しかったが、ここ数日落ち着きをみせていたNY原油先物に再び荒れ相場の兆し。10%を超える大幅安をたどるなど、先行きに不安を抱かせる値動きだった。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「新型コロナを受けた米国情勢」について。
前者は、先週末から続く「金委員長の容体」をめぐり依然として情報が錯綜している。ただ、そうしたなか2つほど興味深い事象があり、ひとつは北朝鮮の対外宣伝雑誌「今日の朝鮮」が中国のSNSを利用し、「重体説はまったく根拠のないデマ」と指摘していたこと。ちなみに、北朝鮮の公的メディアが金委員長の重体説を直接否定したのは初めて。また、もうひとつはトランプ米大統領が会見において「健康状態を熟知しているが話せない」としたうえで、「近く判明するだろう」などと述べていたこと。憶測だけが広がる結果に。
対して後者は、NY州は外出制限が延長された反面、ジョージアやカリフォルニア、オクラホマ州などでは部分的だが経済活動再開の動きが観測されている。しかし、一方で複数メディアは、米経済諮問委員会(CEA)のハセット委員長が「第2四半期の米経済が20-30%のマイナス成長に陥る」、「4月の米失業率は16%かそれ以上に悪化」−−などと発言したと報じており、実体経済へのダメージは相当厳しいモノになりそうだ。

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今週最大の注目要因は、日米欧の中銀による政策金利発表。先鞭をつける格好で、昨日日銀が金融緩和を実施している。したがって、それに続く欧米中銀、FRBとECBがどういった措置を講じるのかが次の注目とされ、本日から始まる2日間の日程のFOMCにまずは要注意だ。なお、今回のポイントのひとつとして、「事実上のゼロ金利をいつまで続けるのか、フォワードガイダンスに注目」などとする声も聞かれている。

材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として多い状況だ。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題となり、感染拡大状況もさることながら、経済活動再開に向けた動きや治療薬をめぐる動き、「起源説」とも言える米中間で深まる対立など、様々な観点から注意を払いたい。また、発表される米経済指標や欧米企業の決算発表にも一応要注意。

テクニカルに見た場合、昨日ドルは107円割れをワンタッチしたにとどまり、過去2週間ほど推移している106.90-108.10円というレンジは、結局破られなかった。引き続き、前述レンジをめぐる攻防が注視されている。ただ、現在その下限に接近していると言うことで、仮に底割れした場合には106円半ば、あるいは105.20円レベルなどがターゲットになりそうだ。

本日は4月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された4月のダラス連銀製造業活動指数は予想を上回ったものの、数字自体は極めて悪いものだっただけに、本日以降も油断は禁物だろう。
米財務省による2年物変動利付債の入札や初日を迎えるFOMC、あるいは欧米企業の決算発表なども場合によっては波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.70-107.60円。ドル高・円安方向は、本日東京高値でもある107.35円レベルが最初の抵抗。超えても107.65円など短期のテクニカルポイントは多く、直近のレンジ上限にあたる108.10円はなかなか遠い存在か。
対するドル安・円高方向は、昨日しっかりと下回れなかった107円前後をめぐる攻防にまずは注目。ただ、割り込んでも近いレベルに4月安値106.93円が位置するなど、大きく崩れる展開は見込みにくい。

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