ドル円、安値更新も下げ渋る展開。米GDPとFOMCはドル売りを示唆(4/30朝)

29日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。

ドル円、安値更新も下げ渋る展開。米GDPとFOMCはドル売りを示唆(4/30朝)

ドル円、安値更新も下げ渋る展開。米GDPとFOMCはドル売りを示唆

海外時間の為替概況

29日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@4/27に開催された日銀金融政策決定会合後の材料出尽くし感(緩和限界論の台頭)や、AFRBによる大規模量的緩和を受けたドル売り圧力、Bテクニカル的な地合の弱さ(直近安値106.93を下抜けたことに伴う短期筋のロスカット発動+強い売りシグナルを表す三役逆転の成立)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値106.36まで下落しました。しかし、C原油先物価格の反発や、D製薬会社ギリアドの新型コロナウイルス治療薬レムデシビル臨床試験での好結果、E上記CDを受けたリスク回避ムードの後退(株高→クロス円上昇→ドル円連れ高)が支援材料となると、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、106.72近辺まで持ち直す動きとなっております。

尚、この日発表された米・1-3月GDP速報値(結果▲4.8%、予想▲4.0%)は市場予想を下回る冴えない結果となりました(2008年10ー12月期以降で最大のマイナス)。また、注目されたFOMC(米連邦公開市場委員会)ではFFレート誘導目標を据え置きつつも、当面のゼロ金利政策の維持が示されると共に、パウエルFRB議長からも「追加措置が必要となる可能性は高い」との発言が見られるなど、総じてハト派的な結果となりました。共に「ドル売り」を連想させる結果となりましたが、ドル円での反応は現時点で限られたものに留まっております。

昨日のユーロドル相場は底堅い動き。@新型コロナウイルスに関する楽観的な見方の広がり(欧州圏における感染者数がピークを迎えつつあるとの見方)や、AFRBによる大規模量的緩和を受けたドル売り圧力、B原油先物価格の上昇、C製薬会社ギリアドの新型コロナウイルス治療薬レムデシビル臨床試験での好結果、D上記BCを受けたリスク回避ムードの後退(対ユーロでのドル売り・円売り)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0885まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.0877付近で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、4/6に記録した高値109.39をトップに反落に転じると、昨日は約1ヶ月半ぶり安値となる106.36まで下落しました。この間、ボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線、一目均衡表転換線や同基準線を下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転も成立するなど、テクニカル的に見て、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きい米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(米・1-3月期GDPは大幅なマイナス成長を記録)、B米中対立再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大長期化懸念(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F原油先物価格の不安定化(5/19の納会に向けて再び下落するリスクを警戒)、G本邦における先行き不透明感(緊急事態宣言発動後の実体経済への下押し圧力)など、ドル売り・円買いを連想させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「軟調推移」が想定されます。米FRBによる量的緩和継続(ドル売り要因)や、米経済指標の不冴な結果(ドル売り要因)、本邦経済のリセッション懸念(デフレ懸念台頭→円の実質金利低下→円高)、原油先物価格の不安定化(株安・円買い要因)、米中対立再燃リスク(株安・円買い要因)が重石になると見られ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(※本日は中国4月製造業PMIや、ECB理事会、米新規失業保険申請件数、月末ロンドンフィキシングなどに注目)。

本日の予想レンジ:106.00ー107.00

ドル円、安値更新も下げ渋る展開。米GDPとFOMCはドル売りを示唆

ドル円日足

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