月間安値106.93円が視界内、レンジ放れも(4/27夕)

週明け27日の東京市場は、ドル売り優勢。先週の形成レンジ下限である安値107.29円を早くも割り込む局面が観測されていた。

月間安値106.93円が視界内、レンジ放れも(4/27夕)

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週明け27日の東京市場は、ドル売り優勢。先週の形成レンジ下限である安値107.29円を早くも割り込む局面が観測されていた。

先週末は、北朝鮮情勢についてのニュースが交錯し、様々な思惑が浮上。また新型コロナの影響について、米議会予算局が「4-6月期GDPはマイナス40%近く、失業率は14%に跳ね上がる」との推計を発表したことも憶測を呼んでいた。
そうしたなか取引の始まったドル/円は前週末のNYクローズと大差のない107円半ばで寄り付いたのち、しばらくは底堅い。107.40-65円といったレンジ取引をたどるも、底割れすると、夕方にかけて107.05円台まで値を崩し、107円割れを視野に入れた展開となった。16時現在では107.15円前後で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「日本の金融緩和」について。
前者は、週末から金委員長の容体をめぐり情報が錯綜。重体説を後押しするものとしては、ロイターが報じた「中国が医療専門家を含む代表団を北朝鮮に派遣」で、逆に健康説を裏付けるものは「北委員長専用列車が滞在説の東部元山に21日以降停車」、「北委員長は精力的な公務を実施、サムジエン市の建設に貢献した労働者を労わる」−−などの報道になる。なお、韓国の東亜日報は「北朝鮮に中距離ミサイルの発射兆候」と報じ、前述した病状とは別の思惑を呼んでいた。
対して後者は、今週27-30日に日米欧の中銀がそれぞれ政策決定会合を実施するが、先鞭をつける格好で、本日は日銀が会合を行っている。その結果として、「80兆円を目途とする国債買い入れ枠を撤廃し、金融緩和を強化」などと発表したうえ、その後の会見で黒田総裁は「日銀はより積極的に債券を購入する」、「必要あれば躊躇なく追加的緩和を行う」と発言していた。

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日銀が本日発表した金融緩和を好感する声は決して少なくないが、内容的にはすでに日経新聞などで報じられていたものが多く、正直新味は乏しい。そんな日本事情を踏まえたうえで、それぞれの国内要因を加味し、明日以降に欧米中銀が措置を発表することになる。如何なる措置になるのか、今週最大の注目要因とも言えるだけに、注意を払いたいところだ。

材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因が依然として多い状況が変わりはない。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」絡みの絡みの話題だろう。なかでも発生した亀裂をどう埋めるのかへの関心が高い欧州情勢と、トランプ氏などの楽観発言とは裏腹に感染の鈍化が予想より遅い米国情勢が気掛かり。後者について若干補足すれば、トランプ氏は先日「コロナによる死者は6.0-6.5万人」と指摘しているが、米ジョンズ・ホプキンス大学による最新集計結果で感染死者数は5万人を超えていた。今秋実施される米大統領選における争点のひとつだけに、そちらと絡めての動きにも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、本日東京でドル安が進展。先週安値の107.29円を下限とした小さいレンジを早くも割り込んできたが、過去2週間ほどの106.90-108.10円というレンジはまだ破られていない。つまり、大きな意味では依然としてレンジ内だ。引き続き足もとのレンジをめぐる動きがいまだ注視されている。

本日は4月のダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債と5年債の入札が実施される見通しだ。それらの内容には一応要注意。
また、中国で26日から実施されている全人代常務委員会の行方や、英国におけるジョンソン首相の職務復帰を期待とともに警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.70-107.70円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の107.60-65円が最初の抵抗。ただ、超えても108.10円は直近のレンジ上限にあたるため上値も重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日の東京時間に示現した107.05円レベルをめぐる攻防にまずは注目。割り込んだ場合には、再び4月安値106.93円がターゲットに。

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