ドル円、日銀追加緩和検討報道で上昇するもすぐに反落。上値の重さを再確認(4/24朝)

23日(木)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。

ドル円、日銀追加緩和検討報道で上昇するもすぐに反落。上値の重さを再確認(4/24朝)

ドル円、日銀追加緩和検討報道で上昇するもすぐに反落。上値の重さを再確認

海外時間の為替概況

23日(木)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@一部メディアによる「日銀が4/27の金融政策決定会合で無制限の国債購入及び、CP・社債の購入上限額倍増など追加金融緩和を検討」との報道を受けて、一時108.04まで急伸するも、A米・4月製造業PMI(結果36.9、予想37.0)や、B米・3月新築住宅販売件数(結果62.7万件、予想64.5万件)の冴えない結果、C米ギリアドのレムデシビル治験失敗との報道が重石となると、米国時間午後にかけて107.41まで反落しました(日通し安値107.35には一歩届かず)。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、107.60近辺で推移しております。

昨日のユーロドル相場は上昇後に急反落。冴えない米経済指標を受けたドル売り圧力を背景に一時1.0845まで上値を伸ばすも、@スペインにおける新型コロナウイルス感染者数の増加や、Aユーロ圏経済指標の冴えない結果(フランス・4月製造業およびサービス業PMI、ドイツ・4月製造業およびサービス業PMI、ユーロ圏・4月製造業およびサービス業PMIなど)、BEU首脳会合にて「新型コロナ対策案について合意に至らなかった」こと等が重石となると、米国時間午後にかけて、1.0762まで反落しました(日通し安値1.0756には一歩届かず)。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.0780近辺で推移しております(尚、この間、ユーロ円は約3年ぶり安値を更新)。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、4/6に記録した高値109.39をトップに反落に転じると、4/15には一時106.93まで下落しました。この間、ボリンジャーミッドバンドや、200日移動平均線、一目均衡表転換線及び基準線を下抜けするなど、テクニカル的に見て、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります(足元107円台後半へ持ち直すも戻りは鈍く、200日線をバックに上値の重い展開が続くと予想されます)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和手段に乏しい日本と、大規模緩和を続ける米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大長期化懸念(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F原油先物価格の不安定化、G本邦における先行き不透明感(緊急事態宣言発動後の実体経済への下押し圧力)など、ドル売り・円買いを連想させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重い」展開が想定されます。米FRBによる量的緩和拡大(ドル売り要因)や、米経済指標の不冴な結果(ドル売り要因)、本邦経済のリセッション懸念(円高要因)、原油先物価格の不安定化(株安・円買い要因)、米中対立再燃リスク(株安・円買い要因)が重石になると見られ、引き続き、新型コロナウイルスを巡るヘッドラインや、原油先物価格および世界的な株価の動向、米主要経済指標の結果(耐久財受注や、ミシガン大消費者信頼感指数など)を睨みながらも、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(昨日は108円台での上値の重さを再確認。本日はクロス円下落→ドル円連れ安の展開を想定)。

本日の予想レンジ:107.20ー108.20

ドル円、日銀追加緩和検討報道で上昇するもすぐに反落。上値の重さを再確認

ドル円日足

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