ドル円、ドル買いと円買いに挟まれ身動き取れず。原油価格は初のマイナス圏へ
海外時間の為替概況
20日(月)の外国為替市場でドル円は一進一退。@新型コロナウィルスの感染拡大に端を発したリスク回避ムード(ドル買い・円買い)の高まりや、A原油先物価格の急落(WTI原油5月限は一時史上初となる0ドル以下に沈み、1バレル▲40.32ドルまで投げ売りが進んだ)を受けた投資家心理の悪化(ドル買い・円買い・資源国通貨売り)を背景に、ドル円は「リスク回避のドル買い」と「リスク回避の円買い」に挟まれ身動きが取れず。結局、高値107.94、安値107.60といった狭いレンジ内での横ばい推移に終始しております。尚、昨日発表された米・3月シカゴ連銀全米活動指数(結果▲4.19、予想▲3.00)は2009年1月以来となる低水準を記録しました(NYダウも一時600ドル近辺へと下げ幅を広げましたが、ドル円相場の反応は限定的となっております)。
昨日のユーロドル相場は狭いレンジ内で一進一退。欧州時間序盤にかけて一時1.0897まで上値を伸ばすも、@新型コロナウィルスの感染拡大に端を発したリスク回避ムード(ドル買い)や、A原油先物価格の急落を受けた投資家心理の悪化(ドル買い)が重石となり、米国時間午後にかけて1.0850台まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、1.0860近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、4/6に記録した高値109.39をトップに反落に転じると、4/14には一時106.93まで下落しました。この間、ボリンジャーミッドバンドや、200日移動平均線、一目均衡表転換線及び基準線を下抜けするなど、テクニカル的に見て、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります(足元107円台半ばへ持ち直すも戻りは鈍く、200日線をバックにした「戻り売り」優勢の展開が続くと予想されます)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和手段に乏しい日本と、大規模量的緩和を続ける米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(今週発表された米経済指標は軒並み悪化)、B米中対立再燃リスク(WHO問題に端を発した米中対立リスクが再燃)、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大長期化リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F原油先物価格の不安定化(買い手不在の中、保管コストを嫌気した投げ売りが加速し、史上初となるマイナス圏に沈むパニック相場)、G本邦における先行き不透明感(緊急事態宣言発動後の実体経済への下押し圧力)など、ドル売り・円買いを連想させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも下落リスクが警戒されます。米FRBによる量的緩和拡大(ドル売り要因)や、米経済指標の不冴な結果(ドル売り要因)、本邦経済のリセッション懸念(円高要因)、原油先物価格の不安定化(株安・円買い要因)、米中対立再燃リスク(株安・円買い要因)が重石になると見られ、本日も、新型コロナウィルスを巡るヘッドライン(特に都市封鎖を解除した中国における感染状況)や、原油先物価格および世界的な株価の動向、米主要経済指標の結果(3月中古住宅販売件数)を睨みながらも、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(原油急落→株価急落→クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路を想定)。
本日の予想レンジ:107.10ー108.10
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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