足もとはドル買い優勢、レンジ上抜けなるか
<< 東京市場の動き >>
週明け20日の東京市場は、ドルが小高い。ただ、終日を通して値動きが107円台にとどまるなど、大局的にはレンジ取引だった。
先週末に、「世界の新型コロナ感染者230万人、死者は16万人超」と伝えられたうえ、日本については「国内感染者が1万人突破」したことが明らかに。ただ、一方でトランプ米大統領が「20日からテキサス州やバーモント州で、経済活動を一部再開すると発表」するなど、各国で明暗が分かれた格好となった。
そうしたなか寄り付いたドル/円は、107.40円レベルと前週末のNYクローズと大差ないレベルで取引を開始。以降は、レンジそのものはさほど大きくなかったが108円手前まで、ドルのじり高推移をたどっている。結局、16時現在ではドル高値圏の107.90円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、NY原油先物が一時急落。1999年以来となる15ドル割れとなる局面も。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナを受けた米国の情勢」と「新型コロナをめぐる米中の対立」について。
前者は、米大学の最新集計で「米国の新型コロナの死者が4万人を突破」したことが明らかになったものの、トランプ米大統領は「米国内のコロナ死者は最大でも6.5万人」とコメント。またNY州知事からも「調子に乗ってはいけない」としつつ、ピークは越えたとの発言が聞かれている。さらに、「ペンス米副大統領と州知事が20日にもコロナ検査体制の問題で協議する」と報じられていた。経済活動について話し合われる可能性もあるという。
対して後者は、「新型コロナの起源」とでも言うべき問題をめぐり、米中間の対立が激しさを増してきた。米紙WSJは「米情報当局が中国武漢研究所誕生説を本格調査」とも報じている。また、それとは別にトランプ氏からは、「コロナ死者数が世界最多なのは米国ではなく中国のはず」、「中国が意図的に情報公開に消極的だったなら、報いを受けさせるべき」などと発言が聞かれるなど、中国サイドの対応に強い不満を示していた感を否めない。
<< 欧米市場の見通し >>
世界的に見た場合、新型コロナの感染拡大に歯止めがかかったとは言えないものの、中国や米国の一部などで経済活動再開が伝えられている。また、ブラジル大統領も自身のツイッターで「社会崩壊を防ぐため、我々は働かなければならない」と指摘していたという。確かに正論なのだが、翻って日本の現状を見た際、まだまだ先という気がしないでもない。一足早く脱した米中などに対し後れを取る日本ということで、円は積極的に買いにくいとの指摘も聞かれていた。
材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題で、先で取り上げた「ペンス米副大統領と州知事が20日にもコロナ検査体制の問題で協議」といった話にも注意を払いたい。またもコロナ治療薬に関する続報や、協調合意後も安値圏での推移をたどる原油相場なども相場の波乱要因に。
テクニカルに見た場合、それなりの乱高下をたどっているものの、先週火曜日以降のレンジはというと106.90-108.10円。1.2円ほどのレンジ内にとどまっていることが見て取れる。
ただ、本日東京でドルは一時108円近くまで上昇、その後も107円後半で推移しており、このまま上抜くことが出来るのか否かを注視したい。仮に超えていくなら、移動平均の200日線が位置する108.30円前後、同25日線が位置する108.65-70円などとなりそうだ。
本日、3月のシカゴ連銀全米活動指数といった米経済指標が発表される予定となっている。正直、それほど市場の関心が高い指標ではないが、ここ最近発表される米経済指標が冴えないだけに、悪化傾向を示せばドルの上値抑制要因になりかねない。また、発表される米企業決算にも引き続き要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.40-108.50円。ドル高・円安方向は、ここ1週間程度のレンジ上限である108.10円レベルが目先の抵抗。上抜ければ移動平均の200日線などが位置する108.30円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末NY安値の107.30円が最初のサポートに。かなり底堅いイメージで、下回っても直近安値107.16円などが強いサポートとして意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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