米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(15日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容になっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2020年4月5日以前までとなっています。
(全般的な経済活動)
経済活動はコロナウィルスの爆発的感染の影響で、全米に亘り急激かつ突発に縮小した。社会的距離の維持や閉鎖命令により、直撃を受けた産業は観光や接待関連、必需品を扱わない小売業である。ほとんどの地区は製造業が下がったと報告している。しかし産業間に著しい差異があるとしている。食品製造業や医療品産業は強い需要があるが、双方とも感染予防やサプライチェーン混乱の観点から出荷遅延に直面している。自動車など幾つかの製造業はほとんど閉鎖されている。価格低下に苦しむエネルギー部門は投資や生産高を減らしている。借入需要(クレジットライン有する企業や不動産の借り換えに関する家計の双方共)に関する地区報告では、その需要が高まっているとしている。全ての地区が、今後数ヶ月は状況が一層悪化すると見込まれることから、企業間の契約に関する先行き見通しが不確実であると報告している。
(雇用と賃金)
雇用は、多くの企業に影響を与えたコロナウィルスの爆発的感染により、全ての地区で急激に減少した。雇用削減は小売や観光、あるいは接待関連の部門が最も厳しい。ほとんどの地区が幅広い閉鎖命令や急激な需要減少を報告しているからである。多くの地域で、製造業やエネルギー部門を含め、厳しい雇用削減が広がっている。幾つかの地域では、企業活動が再開したら戻ってこられると期待する一時的なレイオフや休暇を経ての雇用削減であると注記している。直近の見通しでは今後数ヶ月ではより一段と雇用削減があるだろう。どの地区からも賃金上昇圧力があるとの報告は無かった。大多数は、例えば一時的な手当や適度な賃金上昇がある食糧雑貨品を扱うような高需要部門を除き、一般賃金の低下や、サラリーカットがあると指摘している。
(価格)
一般的なインフレの方向は下がっている。これは小売価格と非労働投入価格の両方ともである。地区の報告では物価上昇が緩やかであったり、物価横這い、あるいは本当に緩やかに下がっているとしている。これらの傾向はコロナウィルスの爆発的感染により、多くの商品やサービスで需要が一層弱まったことを反映している。また、4地区はエネルギー価格のさらなる値下げを報告している。対照的に、需要構成によるサプライチェーンの混乱や転換により、例えば、貨物輸送のような不可欠なサービス、幾つかの農業産品や消費財などに著しい価格上昇がみられる。農産品に関する見通しは混在しているが、先行きは全般的に物価圧力には一段の下方圧力となっている。
(各地区のハイライトは略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
アトランタ連銀GDPナウは昨日の小売売上高等の数値により、第1四半期GDPが4月9日現在の+1.0%から▼0.1%まで下がりました。今後の数値で一段の下落が見込まれます。
また、ブルーチップの予想は▼2.2%⇒▼4.0%まで下がっています。
昨日発表された米経済指標は小売売上高が前月比▼8.7%で過去最大の減少、NY連銀製造業景況指数は▼78.2で過去最悪、鉱工業生産指数は前月比▼5.4%で74年振りの下落となり、発表後はドル売りになったものの、下げ幅は大きくなく、むしろ流動性(現金)確保から対ユーロではドル買いが強まりました。
昨日の相場反応で当面は米経済指標の大幅悪化でもドルが大きく下落する可能性は薄れてきています。
次の焦点は4月29日に米第1四半期GDP速報値とFOMCの金融政策が発表されます。このGDP予想数値やFRBの思惑を狙った動きが27日(月)からでるか否かになりそうです。
(2020年4月16日14:00、1ドル=107円96銭、1ユーロ=1.0877ドル)
オーダー/ポジション状況
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