<< 東京市場の動き >>
10日の東京市場は、再びレンジ取引。終日を通した値幅は30ポイントにも満たず、積極的な動意はほぼうかがえなかった。
ドル/円は108.40-45円で寄り付いたものの、全般手控えムード。本日はイースターでロンドンをはじめとする主要市場が休場となることで、積極的な動意は見送られている。
それでも朝方は「薄商い=荒っぽい変動」で、狭いレンジ内での乱高下が観測されたものの、徐々に沈黙。後半にかけては、レンジ内上下動すら乏しくなった。16時時点では108.35-40円で推移、欧米時間を迎えている。
そうしたなか、豪ドルなどオセアニア通貨が若干気を吐く値動きをたどったが、具体的な変動幅となると対円でいえば50-60ポイントの変動にとどまっていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「原油安打開に向けた動き」と「新型コロナウイルス」について。
前者は、開催が9日に延期され実施されたOPECプラス会合は、二転三転する各種報道を経て、結局決裂したことが明らかに。ロシアとサウジアラビアは減産で合意したものの、メキシコが最後まで反対し、交渉が決裂したようだ。なお、そんなOPECプラスは、合意に向けて本10日に再び協議を行うもようだが、ブルームバーグでは「G20会合のみ開催」と再協議を否定していた。
対して後者は、IMFなどが感染拡大について引き続き厳しい見通しを示すなか、中国やスペイン、米国では政府要人らから「経済活動再開」の話が複数取り沙汰されている。とくに米国は、トランプ大統領にはじまり財務長官、NEC委員長とほぼオールスターで「5月にも経済活動再開着手の可能性」を指摘、慎重派であるFRB議長らとの見解の相違が露わになっていた。
<< 欧米市場の見通し >>
新型コロナウイルスの感染拡大については、中国や一部の欧米諸国で確かにピークを越えたようだ。しかし、先日のスペインのような「揺り戻し」も観測されており、気の緩み次第では「第2波」に襲われる可能性なども否定出来ないだろう。まだまだ予断を許さない。また、仮に主要国で感染拡大が終息に向かうとしても、新型コロナが各国経済に与えた傷跡はあまりに深い。そうした意味では、発表される経済指標や企業などが今後は相場の波乱要因として意識されることになりそうだ。
材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題であり、また前述したように本日へと持ち越しになった「OPECプラス会合」の行方の気掛かり。本日はイースターでNYのほかカナダやブラジルなどの市場が休場となる。全般的には動きにくそうな雰囲気だが、逆に「薄商い=荒っぽい変動」にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、移動平均では108.30円レベルに位置する移動平均の200日線に絡む値動きで、上下を75日線(108.90-95円)と25日線(108.05-10円)が阻む展開となっている。イースターで薄商いが予想されるなかだけに、基本は108円台を中心としたレンジ取引か。大きな変動は来週以降に持ち越しとの見方も少なくない。
本日は、3月の消費者物価指数や同財政収支など幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。ちなみに、昨日発表された週間ベースの新規失業保険申請件数は事前予想500-550万件に対し、再び660万件もの悪数字でネガティブサプライズ。本日以降も発表される米経済指標にはしっかりとした注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.00-108.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である108.60円レベルが目先の抵抗。上抜ければ75日線や直近高値の109.38円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日のドル安値108.22円の攻防にまずは注視。下回ってくると、25日線も近い108円レベルが意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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