米3月消費者物価指数予想
本日、米国3月消費者物価指数(CPI)が公表されます。3月央から欧米で顕著になったコロナウィルスの影響が出始めます。FRB任務の1つが物価安定ですが、既に3月央の緊急利下げ時に物価低下を見込んでいます。その意味で3月数値だけでは判断できませんが、今後の傾向を見る上で最初の数値になりますので注目されます。
2020年4月10日9時現在予想
下図(1)は前月比ベース(全体)の推移を示しています。オレンジ色の6ヶ月移動平均線は12月に緑色の+0.2%を越えましたが、2月以降下向きになっています。また、今回予想通りになると、2015年1月の▼0.6%に次ぐ悪化になります。2014年はアフリカでのエボラ出血熱拡大などによる世界経済停滞懸念がありました。前回はその後にCPIが急反発していますので、今回のコロナウィルス拡大がどの位の期間続くのかで世界経済に与える影響が大きく変わってきそうです。
(1)米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑は0.2%)
一方、下図は前年比ベースのCPIとPCEインフレのコアの数値です。前年比ベースのコアインフレはまだ安定しています。今回のウィルス問題の収束が予想外に早まればコア部分への影響は少ないと思いますが、その意味で収束するまでの期間が問題となりそうです。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値、緑より右は今回予想値)
(注:CPIは米労働省統計局が発表し、世帯調査に基づく家計消費に関し、その購入に関わる費用の変化をみたもの。PCEは米商務省統計局が発表し、主に事業所調査に基づいての消費構造の変化をみるもので、PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広いのでFRBのインフレ指標に採用されています。)
下図はユーロドルの週足です。流れはユーロ安トレンドを継続しています。直近はラインA(=1.1140)とB(=1.0610)の中で、3・4手前に大きな陰線⇒陽線を作り、先週足はその両線の2/3を下押しする陰線となり、今週は昨日現在で更に前週の半値戻しの陽線になっています。その半値はラインC(=1.0960)になっています。今日の終値でCを越えて終わると、来週はCとAの間でユーロの戻り高を狙える位置にきます。逆に抑え込まれると、今週安値の1.0770方向への底固めの可能性を残します。尚、上値はAを越えるとDの1.1350までの上値余地が広がります。
今日は欧州市場がイースター休暇で、月曜日までの4連休となります。NY市場はグッドフライデーで株式市場が休場です。為替市場も商い薄くなりますので、値動きは要注意です。今日のCPIは予想レンジより大きく振れない限り、動き難いかもしれません。
(4月10日13:20 1ユーロ=1.0939)
ユーロドル週足
オーダー/ポジション状況
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