<< 東京市場の動き >>
1日の東京市場は、乱高下。レンジそのものは1円未満とやや狭かったが、そのなかでなかなか激しい上下動をたどっている。
ドル/円は107.50-55円で寄り付いたのち、107.75円レベルへとじり高。しかし、買いが続かず日中安値である107.25円へと軟落した。ただ、ボトムを示現後は再びドル買いが優勢になると、先の高値を超える107.90-95円へ。日経平均株価など日米株価の動きに一喜一憂しつつ乱高下している。
ところが、ドル/円の振幅はまだ終わらず。108円を抜けられなかったことでの利益確定売りがかさんだためか、再度107.20円台まで値を下げ、16時時点では107.50-55円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、新型コロナをめぐる「米国の状況」と「日本の状況」について。
前者は、米ジョンズ・ホプキンス大学が「新型コロナによる米国の死者は約3400人。中国の約3300人を上回った」と指摘するなど、感染拡大が止まらないなか、SF連銀総裁が「米国はすでに景気後退しているのではないかと疑っている」と発言、トランプ米大統領からも「非常に厳しい2週間になる」とのコメントが聞かれていた。その反面、当局からの対応策も複数伝えられており、思惑を呼ぶ。たとえば「FRB、暫定的なレポ設定で外国中銀にドル流動性供給」や、「トランプ氏、関税徴収を3ヵ月猶予する計画を承認した」とする報道が観測されている。
対して後者は、夕方に「東京で新たに60人以上の感染を確認」と指摘されるなど、首都を中心とした感染がやはり拡大の様相。ただ、政府サイドは菅官房長官が「緊急事態宣言が必要ないという状況は変わっていない」、安倍首相は「消費減税の期待には十分こたえられないかもしれない」と発言しており、対応が遅くかつチープなどといった批判の声も少なくない。
<< 欧米市場の見通し >>
欧米諸国を中心とした新型コロナウイルスの感染拡大および、金融市場の混乱は、いつ終息するのだろう。後者部分の「金融市場の混乱」、それも為替市場に関しては本日の東京時間をみるかぎり、少し落ち着いてきた感もうかがえるものの、米NYや東京のロックダウン(都市封鎖)などの可能性はいまだ残されてほか、週末に発表される米雇用統計など注目材料も少なくない。「嵐の前の静けさに過ぎない」などといった声も聞かれ、依然として警戒感を緩めていない向きが多いようだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題。欧米諸国を中心とした感染拡大の情報なども当然要注意なのだが、今週は重要な米経済指標の発表が相次ぐこともあり、目に見える形での経済への影響を懸念する声も広がりつつある。そうした意味では、本日のNY時間に発表されるADP雇用統計の数値には注意を払いたいところだ。
テクニカル面からすると、先週24日のドル高値111.71円を起点にした下げ波動のなかの中間保ち合いか。足もとは107.10-108.70円といったレンジで、次の方向性をうかがっている。これまでの流れを勘案すると、下方向にブレークしていく公算が大きいものの、逆にしっかり上抜ければ再び110円台回復を目指す展開も否定できないだろう。
本日は、3月のADP雇用統計や同ISM製造業景況指数といった米経済指標が発表される予定となっている。一昨日に発表されたダラス連銀製造業活動指数の大幅低下もあり、懸念された昨日の米指標だったが、シカゴ購買部協会景気指数や消費者信頼感指数などは予想ほど悪化しなかった。ただ、それでも後者の米消費者信頼感指数は2017年6月以来のレベルにとどまるなど、水準としては低いものだった。本日の米指標も予断を許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.80-108.30円。ドル高・円安方向は、東京時間につけることが出来なかった108円レベルが目先の抵抗。上抜ければ移動平均の200日線が位置する108.30円レベルや昨日高値108.73円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日安値もさほど遠くない前回安値107.13円をめぐる攻防にまずは注視。しっかり割り込んでくるようだと、フィボナッチを参考した下値メド106円半ばが意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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