コロナ気掛かりだが、米経済指標にも要注意
<< 東京市場の動き >>
31日の東京市場は、ドルが強含み。月末最終日のためか、需給要因に支えられたドル買いの動きが優勢だった。
ドル/円は寄り付いた107.70-75円を安値にドル高が進行。仲値に向けて1円程度上昇し、日中高値の108.70-75円を示現している。しかし、その後は上値が急速に重くなると逆にじり安。日米株価の動きなどをにらみつつ、108円台前半での揉み合いになると、16時時点では108.30-35円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、南アフリカランドは本日も対円などで安寄りして始まるも、取引が始まったのちは逆に小じっかり。6円前後では底堅さもうかがわせている。
材料的に注視されていたものは、新型コロナをめぐる「欧州の状況」と「幾つかの重要会議」について。
前者は、世界最悪の死者数を数えるイタリアに次ぐスペインにおいて、「死者数が7340人となり、中国を超えた」ことが明らかになったうえ、フランスも当局が「死者数3024人で、中国に続く世界4番目の多さ」になったと発表していた。感染拡大はいまだ終息の兆しがみえない。そうしたなか、様々な思惑を呼んでいる「コロナ債」について、ECB副総裁が「コロナ債は経済的影響に対処する唯一の手段でもなければ、もっとも効果的な手段でもない」との見解を示し、導入を事実上否定している。
対して後者は、日米欧などG20の貿易相が緊急テレビ会合を開催。「貿易制限回避で一致」と発表したほか、安倍首相はWHO事務局長と電話協議を行っていた。また別に、「米露首脳は原油について電話協議」を実施し、世界のエネルギー市場の安定が重要だとの認識で一致したという。なお、G20の財務相・中銀総裁が本日テレビ形式で再び会合を実施する予定にある、と発表されている。
<< 欧米市場の見通し >>
欧米諸国を中心とした新型コロナウイルスの感染拡大および、金融市場の混乱は、まだ終息のメドが立たない。前者に関連しトランプ氏は「全米の外出禁止令を検討したが、発令の可能性は極めて低い」と発言しており、切迫感がいまひとつ欠けている気がするのは筆者だけの感覚だろうか?ともかく、米NYや東京のロックダウン(都市封鎖)などの可能性はいまだ残されているようで、引き続き注意を払いたい。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題。各国経済対策についても、たとえばブルームバーグは、自民党の世耕参院幹事長がインタビューで、「リーマンショック後に策定した対策ではまったく足りないと指摘した」と報じている。追加対策への期待も高く、もちろんこうした先は日本だけではない。米欧などにおける感染対策や、さらなる経済支援の内容などに本日も要注意。
テクニカル面からすると、先週24日NY時間に示現したドル高値111.71円を起点に時間足などでは右肩下がりの値動きをたどってきたが、それがようやく底入れした感がある。昨日のNYクローズでは上抜けられなかった移動平均の200日線が位置する108.30-40円を足もとのザラ場ベースでは上抜けており、このまま維持できるか否かをしっかりと注視したい。
ちなみに、短期フィボナッチを参考にした場合の次のテクニカルポイントは108.85-90円で、抜けると109.40-45円を目指す。
一方、材料的に見た場合、3月のシカゴ購買部協会景気指数や同消費者信頼感指数といった米経済指標が発表される予定となっている。
昨日発表された、同じ3月分のデータであるダラス連銀製造業活動指数は予想値マイナス10前後に対し、実にマイナス70という予想以上の悪化に。幸か不幸か、昨日は指標の影響がそれほど大きくみられなかったものの、予断は許さず。本日の指標も同様に悪化すれば、ドル売りなどがかさむ可能性を否定出来ない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.80-109.40円。ドル高・円安方向は、フィボナッチを参考にしたテクニカルポイントの108.85-90円が目先の抵抗に。上抜ければ109円台回復となり、109.40-45円がターゲットか。
対するドル安・円高方向は、先でも取り上げた足もとで上抜けている200日線をめぐる攻防にまずは注視。再び割り込んでくるようだと、107円半ばや昨日安値の107.13円が意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2020.04.01
ドル円、FRBによるドル資金供給措置発表を受けて反落。日銀短観が不冴なら続落の恐れも(4/1朝)
31日(火)の外国為替市場でドル円は上昇後に急反落。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。