ドル円、株安と原油安の組み合わせで2016年11月以来の安値圏へ急落(3/10朝)

9日(月)の外国為替市場でドル円は急落。

ドル円、株安と原油安の組み合わせで2016年11月以来の安値圏へ急落(3/10朝)

ドル円、株安と原油安の組み合わせで2016年11月以来の安値圏へ急落

海外時間の為替概況

9日(月)の外国為替市場でドル円は急落。@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムードや、A上記@を受けた世界的な株価の急落(※日経平均株価は一時前営業日比▲1277円を記録し、昨年1/4以来、約1年2ヶ月ぶり安値圏へ。米株市場はサーキットブレーカー発動。米ダウ平均株価は一時前営業日比▲2158ドルを記録し、昨年1/10以来、約1年2ヶ月ぶり安値圏へ)、B米長期金利の急低下(米10年債利回りは一時0.342%まで急低下し、史上最低利回りを大幅に更新)、

COPECと非OPECで構成される「OPECプラス」にて減産合意が決裂し原油価格が急落したこと(WTI原油先物は一時前営業日比▲13.94ドルを記録し、2016年2月12日以来、約4年1ヶ月ぶり安値圏へ急落)、D上記@からCを受けた投資家心理の急速な悪化が重石となり、米国時間には、2016年11/9以来、約3年4ヶ月ぶり安値となる101.19(トランプ米大統領・勝利直後に記録した安値に並んだ格好)まで急落しました。その後は、日銀によるレートチェックの噂等を受けて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、102.35近辺で推移しております。

昨日のユーロドル相場は急上昇。@米長期金利の急低下(米10年債利回りは一時0.342%まで急低下し、史上最低利回りを大幅に更新)や、A域内のオープン外債投資に対するヘッジ操作、BECBの追加緩和限界論(ECBによる追加緩和手段の乏しさを見越したユーロ買い)が支援材料となり、アジア時間には一時1.1493まで急伸しました。しかし、心理的節目1.1500を前に利食い売りが強まると、海外勢参入後は伸び悩む展開に。本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1455近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、先週木曜日(2/20)に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、昨日米国時間には、約3年4ヶ月ぶり安値となる101.19まで急落しました(12営業日で11円02銭の暴落劇)。この間、一目均衡表雲転換線や基準線、一目均衡表雲上限及び雲下限、ボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線を下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転及び、強い下落トレンド入りを示唆するバンドウォークも発生するなど、テクニカル的に見て「地合いの弱さ」を強く印象付けるチャート形状となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(緊急利下げに踏み切る米国と、追加緩和手段に乏しい日本。市場では来週のFOMCでFRBが更に50bp以上の利下げに踏み切ることを織り込む催促相場)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感、G原油価格の急落など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。世界的な金融緩和及び財政出動期待を受けても尚持ち直す兆しは見られておらず、新型コロナウィルスの感染拡大を受けた世界経済への悪影響の深刻さが改めて意識されている状況です。足元では原油価格の急落も加わるなど、投資家心理が急速に悪化しており、本日も「米景気減速懸念→米利下げ観測→米長期金利低下→ドル売り」の経路と、「世界経済の低迷→グローバルな株安→リスク回避の円買い」の双方の経路で、ドル円が一段と押し下げられるリスクに警戒が必要と考えられます。米株及び米長期金利の動向や、新型コロナウィルスを巡るヘッドライン、原油価格のプライスアクションを睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目100円や、2016年6月に記録した安値99.12円を試すシナリオを想定)。

本日の予想レンジ:100.00ー104.00

ドル円、株安と原油安の組み合わせで2016年11月以来の安値圏へ急落

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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