金融市場は大荒れ続く、早朝に一時103円台(週報3月第2週)

先週のドル/円は、ドル安・円高。週足は2週続けての長大陰線となり、そのあいだの下げ幅は7円近くにも達している。

金融市場は大荒れ続く、早朝に一時103円台(週報3月第2週)

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先週のドル/円は、ドル安・円高。週足は2週続けての長大陰線となり、そのあいだの下げ幅は7円近くにも達している。

週末は、新型コロナウイルスについて、韓国やイタリア、イランにおける感染者激増が報じられ話題に。そうしたなか、米国は「韓国とイタリアの一部地域を渡航中止引き上げ」と対外的には強固な姿勢をうかがわせた反面、金融市場に対しては米NEC委員長が「市場の反応は行き過ぎ。過剰反応すべきでない」と冷静さを求めるコメントを発していた。
週明け月曜日のドル/円は、未明の時間外取引で薄商いのなか一時107円割れをワンタッチするなど、先週末のNYクローズ108円前後から1円以上もドル安・円高で実質的にオープン。ただ、そのレベルからは買い戻されて108円台を回復したもののドルの上値はすでに重い。以降は、大荒れとなったNYダウの動きに一喜一憂する展開をたどるなか、ドル/円は下値を徐々に切り下げると、週末にはついに105円ちょうどまで下落している。発表された2月の米雇用統計はかなりの好数字だったが、それを受けたドル買いの動きも限定的で、結局105.35-40円で取引を終え越週となった。

一方、週間を通して注視されていた材料は、引き続き「新型コロナウイルス」関連について。
感染者については、中国本土の発生源である武漢をはじめ、拡大がようやく落ち着きを取り戻すなか、韓国とイタリア、イラン3ヵ国の罹患者の増え方が危機的状況として取り沙汰されていた。また、これまで楽観的に見られていた米国についても、「米カリフォルニア州が非常事態」を宣言するなど、ついに危機意識を持つ向きが増え始めると一週間を通して米株やドルの弱材料に。
そうしたなか、G7財務相・中銀総裁による緊急電話会談が開催されたことに続き、FRBが0.5%の電撃利下げを実施。しかし、それでも市場の動揺は収まらず。むしろ、混乱が広がったかたちで、実際NYダウは連日のように「前日比1000ドル安(高)」などといった荒っぽい乱高下を繰り返すと、為替市場においても波乱要因となっていた。

<< 今週の見通し >>

先でも指摘したように、米株の動きは依然として荒っぽく落ち着かない。ザラ場ベースの動きでいえば、一日のあいだに「前日比1000ドル安(高)」といった展開をたどることも、すでに日常化。決して珍しい状況ではなくなっている。そんな米株や米国の金利がどこまで落ち着きを取り戻せるか否かが目先の注目点で、今週も乱高下が続くようなら、為替市場も引き続き荒っぽい価格変動をたどる可能性を否定出来ない。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型ウイルス」、「米大統領選」など注意すべき要因は目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するものは依然として「新型コロナウイルス」絡みの話題。なかでも注視されているのは、「米カリフォルニア州が非常事態」を宣言するなど、懸念される米国情勢について。先週末に発表された雇用統計は良好な内容で、新型ウイルスの影響はまだ目立ってみられないが、トランプ米大統領は先週末にも「FRBは追加利下げをして、景気を刺激すべき」と発言、当局にプレッシャーをかけていた。米国を中心に日欧などについても、臨機応変な対応が出来るのか否か、政府や当局の対応が注視されている。また、急激な円高が進行しているだけに、本邦要人を中心とした「口先介入」についても注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、昨年8月安値104.44円を起点としたフィボナッチでは、76.4%戻しの106.30円レベルを割り込むなか、先週末には105円まで下落。100%戻しが現実の下値メドとして意識されるなか、本日早朝の時間外取引で104円台前半、そしてそののち103円台半ばまで一時急落した。
ここから先の明確な下値メドを見出すことは難しいが、2016年安値98.65円を起点とした上げ幅のフィボナッチ76.4%戻しは103.35-40円となる。一応、そのレベルがターゲットか。

今週は、2月の消費者物価指数や3月のミシガン大消費者信頼感指数速報値といった米経済指標が発表される予定となっている。
先週末に発表された米雇用統計は良好な内容だったが、日経新聞では「雇用の先行きは下振れ懸念が強い」としたうえで、FRBが3月中に再び利下げを決める可能性を取り沙汰していた。先週までの地合いをみても、米ファンダメンタルズの低迷はドル売りに繋がりかねず、発表される米指標内容には引き続き要注意。

そんな今週のドル/円予想レンジは、102.50-105.50円。ドル高・円安については、本日早朝に上値へと空けたギャップ104.60-105.30円の攻防にまずは注視。しっかり埋めると106円台回復を目指す。
対するドル安・円高方向は、本日早朝に示現した安値の103円半ばが最初の下値メド。割り込むようだと、103.35-40円や103円などがターゲットに。

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