<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は、ドルが弱含み。一時105.75円レベルまで下落し、直近安値を再び更新する局面も観測されていた。
ドル/円は106.10円前後で寄り付いたのち、当初はドルが小高い。日中高値である106.35円レベルまでドルがじり高となった。NYダウ先物が一時200ドル程度上昇したことなどが好感されていた。しかし、そのNYダウ先物が一転しマイナス圏に入ったことで流れが変わると、ドル売り・円買いが優勢に。106円を割り込むと、日中安値である105.75円レベルまで一気に値を下げた。16時時点では105.95-00円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型ウイルス」について。
引き続き米国における感染者の拡大傾向が話題に。そのひとつは、米保健当局が「カリフォルニア沖に停泊しているクルーズ船内で多数の感染者が出ている可能性」などと発表したこと。そうしたなか、FRBはコロラド州デンバーで9-12日に開催予定だったイベントを延期すると発表している。
また、日欧そして韓国などについての感染者拡大が引き続き取り沙汰されるだけでなく、数々のイベント中止や経済損失、さらには金融を中心とした支援策が断続的に明らかとなっている。たとえば、イタリアは「75億ユーロの刺激措置を準備」、日本は「日銀が企業の資金繰り支援、金融機関への資金供給を拡充する支援策を検討」などと報じられていた。なお、日本においては11日に行われる予定だった「東日本大震災追悼式」の中止が閣議決定されている。
<< 欧米市場の見通し >>
米株の動きは依然として荒っぽく落ち着かない。ここ1週間ほどのあいだに、「前日比1000ドル安(高)」などという文言をいったい何度聞いただろう。実際、NYダウは昨日もザラ場ベースでは一時1000ドルを超える下落をたどっていた。そんな米株や米国の金利が落ち着きを取り戻せるか否かが注目されており、値動き如何では為替市場の乱高下、荒っぽい価格変動もまだしばらく続くことになりそうだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は数多いまま。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題だが、本日は発表される米経済指標、2月の雇用統計の内容も注視されている。ちなみに、もっとも注目を集めている非農業部門雇用者数はプラス17.5万人といった予想だが、先日発表されたADP雇用統計が好数字だったことから、「もう少し良い数字」などと上方修正された内容を見込む声も少なくない。
テクニカルに見た場合、昨年8月安値104.44円を起点としたフィボナッチでは、76.4%戻しの106.30円レベルも割り込んでおり、ついには100%戻ししかターゲットはなくなった。一朝一夕に105円を割り込み、そのレベルへと到達するとは思わないが、ドルのさらなる下落には是非とも注意を払いたい。
なお、年単位といったかなり長期タームの話だが、ドル/円はここ数年、104-115円といったややワイドなレンジを形成、そのなかでの一進一退をたどってきた。このままドルが下落し、長期のレンジ下限である104円割れもありうるのかを期待半分、いまから注視している市場筋もあるようだ。
本日は、1月の貿易収支や2月の雇用統計といった米経済指標が発表される予定となっている。また、シカゴ連銀総裁やクリーブランド連銀総裁、NY連銀総裁などが参加する連銀イベントが実施される見込みで、そちらの内容にも要注意。後者については、新型ウイルスに対する考え方や予想に加え、先日の実施した緊急利下げならびに、追加利下げに関する発言が注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.30-106.60円。ドル高・円安方向は、106.30-40円に弱い抵抗が存在し、その少し上である106円半ばもテクニカルポイント。それらを抜けると107円台回復も。
対するドル安・円高方向は、東京安値の105.75円レベルが最初のサポート。割り込むようだと明確な節目はなく、心理サポートの105円がターゲットか。ポジションの偏りは著しいが、ドルの下値はまだまだ波乱含みだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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