ドル、米株の動きにドル円も左右される展開継続か(3/4夕)

4日の東京市場は、ドルが小高い。ただ、一方向にドル高が進んだわけではなく、乱高下をたどった末のドル高進行だった。

ドル、米株の動きにドル円も左右される展開継続か(3/4夕)

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4日の東京市場は、ドルが小高い。ただ、一方向にドル高が進んだわけではなく、乱高下をたどった末のドル高進行だった。

ドル/円は107.10円前後で寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。107円を割り込み、直近安値を更新する106.85円レベルまで一時下落している。
しかし、ドル売りの要因となっていた時間外で取引されているNYダウ先物が回復基調をたどると、ドル/円も流れが反転。107円を回復しただけでなく、日中高値である107円半ばまで一気に上伸した。その後は、株価や金利の動きをにらみつつ小康状態、ドルは強保ち合いとなり、16時時点では107.40-45円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「G7緊急会合」と「スーパーチューズデー」について。
前者は、昨晩予定通りG7の財務相と中銀総裁による緊急電話会合が実視。終了後には声明が発表され、「中銀は引き続き責務を履行」や「すべての政策手段を使うとあらためて約束」といった文言が盛り込まれていた。しかし、具体性に乏しかったうえ、ロイターが事前に報じたとおり「協調利下げ」の文言もみられず、金融市場としては失望の内容。終了後、参加者のひとりである麻生財務相からの「対応手段は財政政策と金融政策を含む」といった火消し発言に加え、「FRBが0.5%の緊急利下げ」という実際の行動に動いたものの、再び米株が大幅安となったことで、ドル売りの流れは止まらなかった。
対して後者、スーパーチューズデーと呼ばれる「米大統領選に向けた民主党候補者争いで、全米14州で予備選を一斉に行う」という注目度の高い戦いが昨日行われ、ここまではバイデン氏の躍進が目立つ格好に。ただ、対抗馬とされるサンダース氏も大票田のひとつカリフォルニア州を制したとみられるなど、まだまだ予断を許さない。続報も注視されている。

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わずか数日のうちに、「史上最大の下落」と「史上最大の上昇」の両方を記録したNYダウだが、まだまだ落ち着く気配がない。実際昨日も、NYダウはザラ場ベースでは一時1000ドル近く下落する局面が観測されていた。米株や金利がもう少し落ち着きを取り戻さないと、ドル/円も連れる格好で振れ幅の大きな値動きをたどる可能性を否定出来ない。なお、時間外取引となる東京時間のNYダウ先物は300ドルを大きく超える上昇をたどっており、それからするとNYダウ現物の再反発が期待される。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因はいまだ多い。そうしたなか、もっとも注意を要するのはいまだ「新型コロナウイルス」絡みの話題で、なかでも実際に被った経済などの被害や、それを踏まえた対応策が注視されている。また、関連ニュースのなかで少し気掛かりなのは、「トランプ氏が日本も渡航規制強化の検討対象と発言した」などとされることに代表される、世界的な「ジャパン・パッシング」の動き。いつのころからか「リスク回避=円買い」という図式が復活しているものの、いつまでも続かないのかもしれない。

テクニカルに見た場合、週明け早朝の時間外で見せたイレギュラーなレート107円前後を、昨日NYに続き、本日東京でも一時更新してきた。大きな流れは、いまだドル安方向にバイアスか。
しかし株価や金利の動き次第といった側面は否めず、それらの動静如何ではドル高が進行しても不思議はない。ちなみに、まずは108円前後、そして移動平均の200日線が位置する108.40円程度まで戻す可能性も取り沙汰されていた。

本日は、2月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数といった重要な米経済指標が発表されるだけでなく、米地区連銀経済報告(ベージュブック)も公表される予定となっている。
そのほか、カナダ中銀が政策金利を発表するが、ロイターは大勢の「据え置き」予想と裏腹に「利下げ実施の公算」と報じていた。どちらの結果となるのか注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.90-108.20円。ドル高・円安方向は、108円前後が最初の抵抗。超えれば移動平均の200日線が位置する108.40円レベル、月間高値108.58円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値の106.85円レベルが最初のサポート。割り込むようだと106円半ば、さらには106.30円などが意識されそうだ。

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