株安連鎖の行方は如何に、株価の動きを注視(2/28夕)

28日の東京市場で、ドル安・円高。「寄り付き高・大引け安」に近い値動きで、見た目以上にドルの弱さが目についた。

株安連鎖の行方は如何に、株価の動きを注視(2/28夕)

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28日の東京市場で、ドル安・円高。「寄り付き高・大引け安」に近い値動きで、見た目以上にドルの弱さが目についた。

ドル/円は109.55円レベルで寄り付いたのち、日中高値の109.65-70円を記録。しかし、そののちドルは下降をたどると、途中でストップロスを次々に巻き込み、夕方には108.80円レベルまで下落している。新型コロナウイルスの影響を受け、日経平均株価がザラ場ベースで一時1000円を超える下げを記録したことなどが嫌気されていたようだ。16時時点では、日中安値圏である108.85-90円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、依然として「新型コロナウイルス」について。
落ち着いてきた中国本土と対照的に、それ以外の地域の感染拡大はいまだ止まらず。例えば欧州においては「デンマークが新型ウイルスの初感染者を確認した」との発表がなされていたほか、副大統領への感染が発覚したイランにおける患者急増も改めて話題に。また、中国本土に続く感染者数2位の韓国は、当局の発表で感染者がついに2000人超えしたことが明らかとなった。
なお、そうしたなか新型ウイルスを受けた経済ダメージや、対応策などについての発言や報道も相次いで、なかでもロイターが伝えた「FRBが米経済を守るため来月のFOMCで利下げを決定。その後は7月末までにあと2回の利下げを実施するとの観測が聞かれている」−−との報道が一部で話題になっていた。

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昨日筆者は「ドル下値正念場、110円割れ定着なるか」−−とレポートしたが、予想よりも速いスピード、そして深いレベルまでドル安が進行している。まさか早々に108円台へと到達するとは考えていなかった。ともかく、ドル/円は下方向のサポートを次々に割り込んでおり、基本的なリスクは引き続き下方向にバイアス。近くに移動平均の200日線も位置する前回安値の108.31円がターゲットとなりそうだ。1週間強で3円を超えるドル安進行で、短期的には下げ過ぎの感も否めないが、ドルの続落には注意を払いたい。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は山積みという状況だ。そうしたなか、もっとも注意を要するのはいまだ「新型コロナウイルス」絡みの話題。日本においては、「東京オリンピック開催」に関する噂や思惑、そして安倍首相が発した「来月2日からの小中学校休校要請」が話題を集めており、のちのち最終判断をめぐっては内閣支持率に影響が出るなどと言った声も聞かれていた。また、それとは別に、昨日過去最大の下げ幅を記録したNYダウをはじめとする米株の動きには要注意。世界同時株安という負の連鎖は止まるのだろうか。NYダウは、12日に記録した史上最高値から10%を超える下げをたどっており、そろそろ底入れするとの楽観的な見方も一部で聞かれていた。

テクニカルに見た場合、一連のドル急落のなか、今月上旬から半ばまで2週間近く推移していた109.50-110.10円といったレンジ取引回帰もありうるとは予想していたが、実際には前述レンジを突き抜けて下落している。チャート的にも、移動平均の25日線をはじめ、下方向のテクニカルポイントを次々と割り込んできた格好で、基本的なリスクはほぼ間違いなく下方向にバイアス。近いレベルに200日線も位置する前回安値の108.31円が次のターゲットとなりそうだ。

本日は、2の月シカゴ購買部協会景気指数や同ミシガン大学消費者信頼感指数確報など幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。また、米国ではブラード・セントルイス連銀総裁、欧州ではバイトマン独連銀総裁やホールデン英中銀理事が行う講演への関心も高く、一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.40-109.50円。ドル高・円安方向は、本日東京で割り込んできた移動平均の75日線が位置する109.40円レベルの攻防を注視。超えれば、109.80-85円に位置する25日線などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値の108.65-70円が目先サポート。割り込むようだと、近いレベルに200日線も位置する前回安値の108.31円が名実とも視界内に。

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