ドル円、一時反発するも戻りは鈍い。トランプ米大統領会見待ち(2/27朝)

26日(水)の海外市場でドル円は反発するも伸び悩む展開。

ドル円、一時反発するも戻りは鈍い。トランプ米大統領会見待ち(2/27朝)

ドル円、一時反発するも戻りは鈍い。トランプ米大統領会見待ち

海外時間の為替概況

26日(水)の海外市場でドル円は反発するも伸び悩む展開。前日の急落劇の反動から、米主要株価指数・米長期金利が共に上昇に転じると、ドル円も一時110.70まで反発しました(※トランプ米大統領が日本時間27日午前8時に会見を開くと発表したこともドル円をサポート)。しかし、@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムードの再燃(アジア圏のみならず世界的なウィルス蔓延が世界経済を想像以上に冷やすとの警戒感。米食品医薬品局も新型コロナウィルスはパンデミックの一端にあると警鐘)や、A上記@を受けた米主要株価指数の反落(一時460ドル超上昇していた米ダウ平均株価が前日比マイナス圏に転じたこと)、B米長期金利の急低下(米10年債利回りは1.38%→1.31%へ急低下し、前日記録した史上最低水準1.30%に迫る展開)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時00分現在)では、110.31近辺まで押し戻される展開となっております。

昨日のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。欧州勢参入後に一時1.0909(2/12以来、約2週間ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、@リスク回避ムードの再燃(対ユーロでのドル買い圧力)や、A米・2月新築住宅販売件数(結果76.4万件、予想71.8万件)の良好な結果を受けたドル買い、Bイタリアにおける新型コロナウィルスの死者数及び感染者数の拡大報道等が重石となると、本稿執筆時点(日本時間4時00分現在)では、1.0883まで押し戻される展開となっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、先週木曜日(2/20)に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、今週火曜日(2/26)には一時109.89まで急落しました(僅か3営業日で2円32銭の急落劇)。この間、一目均衡表転換線や基準線を下抜けするなど、テクニカル的に見て「上値の重さ」を意識させるチャート形状となりつつあります(昨日は一時110.70近辺まで持ち直すも戻りは鈍く、引けにかけて110.31近辺へ押し戻される展開に)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや(米年内利下げ観測の再燃)、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大リスク(アジア圏のみならず、イタリアや中東地域などへの感染拡大懸念)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。本日発表される一連の米経済指標(第4四半期GDP改定値や耐久財受注など)が冴えない結果となった場合や、新型コロナウィルスの感染拡大を巡るネガティブな報道がなされた場合などには、「米景気減速懸念→米利下げ観測再燃→米長期金利低下→ドル売り」の経路と、「世界的な株安→リスク回避の円買い」の双方の経路で、ドル円が一段と押し下げられるリスクも想定されます。新型コロナウィルスに絡むヘッドラインや、米経済指標の結果、米株をはじめグローバルな株価動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円のベア見通し(弱気見通し)をメインシナリオとして予想いたします(日本時間午前8時に予定されているトランプ米大統領会見後に心理的節目110円を割り込む展開を想定)。

本日の予想レンジ:109.80ー110.80

ドル円、一時反発するも戻りは鈍い。トランプ米大統領会見待ち

ドル円日足

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