ドル円、米長期金利の急低下を受けて心理的節目110円を割り込む展開に
海外時間の為替概況
25日(火)の外国為替市場でドル円は急落。@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムード(アジア圏のみならず世界的なウィルス蔓延懸念)、A上記@を受けた世界的な株安(米ダウ平均株価は昨日に続き急落)及び、B世界的な長期金利急低下(米10年債利回りは史上最低水準へ急低下)、C米・2月リッチモンド連銀製造業指数や米・2月コンファレンスボード消費者信頼感指数の冴えない結果、Dアザー米厚生長官による「新型コロナウィルスの米国内の感染が今後増える」との発言が重石となり、海外時間には、心理的節目110円ちょうどを割り込み、一時109.89まで急落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、110.06近辺で推移しております。
昨日のユーロドル相場は堅調な動き。@米長期金利の急低下(米10年債利回りは史上最低水準へ急低下)や、A米経済指標の冴えない結果(米・2月リッチモンド連銀製造業指数や米・2月コンファレンスボード消費者信頼感指数など)を受けたドル売りが支援材料となり、海外時間には、約2 週間ぶり高値となる1.0890まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、1.0882近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、先週2/20に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、昨日は一時109.89まで急落しました(3営業日で2円32銭の急落)。この間、一目均衡表転換線や基準線、心理的節目110円ちょうどを下抜けするなど、テクニカル的に見て「上値の重さ」を意識させるチャート形状となりつつあります。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大リスク(アジア圏のみならず、イタリアや中東地域などへの感染拡大懸念)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。本日発表される一連の米経済指標(MBAローン申請件数や、1月新築住宅販売件数など)が冴えない結果となった場合や、新型コロナウィルスの感染拡大を巡るネガティブな報道がなされた場合などには、「米景気減速懸念→米利下げ観測再燃→米長期金利低下→ドル売り」の経路と、「世界的な株安→リスク回避の円買い」の双方の経路で、ドル円が一段と押し下げられるリスクも想定されます。新型コロナウィルスに絡むヘッドラインや、米経済指標の結果、米株をはじめグローバルな株価動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円の続落をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:109.25ー110.75
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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