ドル円 米株の動き注視、落ち着きどころを探る(2/25夕)

25日の東京市場は、ややドル高。しかし、株価や金利の動きに一喜一憂する展開で、明確な方向性は定まらなかった。

ドル円 米株の動き注視、落ち着きどころを探る(2/25夕)

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場は、ややドル高。しかし、株価や金利の動きに一喜一憂する展開で、明確な方向性は定まらなかった。

前日の欧米時間、NYダウが1000ドル超の下落をたどったこともあり、為替市場でドルは急落。昨日東京夕方の111円半ばから1円程度下落しNYを大引け、それを受けた本日のドル/円は110.60円レベルで寄り付いている。
そうしたなか、日経平均株価は終値ベースで781円もの大幅安となったが、これは前述したNYダウ安からある程度は予想されたもので、ほぼ想定内との声も多く影響は限られた。結局、ドル/円は110.60-111.05円といったレンジ内で乱高下をたどる展開に。16時時点では110.80-85円で推移し、欧米時間を迎えている。

材料的に注視されていたものは、「新型コロナウイルス」について。
昨日、わずか3時間に終わった措置ながら、「武漢から市外に出ることが一部認められる」など、引き続き中国本土における感染の落ち着きがうかがえるようになってきた反面、中国国外では逆に被害の拡大が顕著に。たとえば、「イタリアで6名の死亡が確認された」との報道や、「中東4ヵ国で感染を初確認」といったニュースが話題となっていた。そうした状況を受け、WHOは今更のように「パンデミックが起こる可能性に各国は備える必要がある」−−と発表している。

なお、韓国情勢はというと、「米国が韓国への渡航警戒レベルをレベル3、最高ランクに引き上げた」ことが明らかに。感染者数も893人まで増加したと発表されたが、為替市場は逆にウォン高・ドル安が進展している。当局による通貨防衛の動きを疑う声も聞かれていた。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のアジア時間は、日米株安にもかかわらずドル/円は底堅く推移。かつての「リスク回避志向(=円買い)」とは異なる様相がうかがえる−−などとレポートしたが、その後の展開をみると「米株大幅安=円高」という流れになった。ただ、本日以降も同様の値動き、下げ幅を記録すれば話は別だが、仮に米株が小幅安程度にとどまれば、円買い戻しの動きは限定的になる見通しだ。リスク資産として円を嗜好する向きは限られており、ドル/円の下値は堅いと予想している。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として少なくない。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題で、各国における被害状況、なかでもイタリアを中心とした欧州に要注意だ。また、足もとの金融市場は依然として新型ウイルス絡みの話題ばかりだが、昨日発表された米経済指標「ダラス連銀製造業活動指数 」も良好な雄内となるなど、ファンダメンタルズ要因はドル高を示唆している。本日も発表される米経済指標には一応の注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ここ1週間程度のドル/円は猫の目相場。実際、109円後半から112円台、そして再び110円前半まで一時下落−−と、なかなか荒っぽい値動きをたどっている。かつてのレンジ上限である110円前後を割り込めば、ドルの上値トライは完全なるダマシの公算が高まることになるが、その可能性は低いのではなかろうか。むしろ、111円半ばそして112円台を回復すれば、再び年初来高値112.22円をトライする展開も否定出来なくなりそうだ。

これから2月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日はNYダウの大幅下落でスッカリかすんでしまったが、発表された「ダラス連銀製造業活動指数 」は好数字だった。引き続き発表される米経済指標の内容には要注意。
また、米財務省による2年債入札やクラリダFRB副議長による講演なども気掛かりだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.30-111.30円。ドル高・円安方向は、本日東京の戻り高値である111.05円レベルが最初の抵抗。ちなみに、同レベルは年初来高値112.22円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにもほぼ合致する。そのため、上抜けたとすれば、反戻しの111.25-30円あるいは61.8%戻し111円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値110.33円の攻防にまずは注目。ただ割り込んでも、大崩れは予想しにくく、110円割れワンタッチ程度までが精々か。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る