良好な米経済指標と新型肺炎の増加ペース鈍化を背景に9ヶ月半ぶり高値圏へ急伸
海外時間の為替概況
19日(水)の外国為替市場でドル円は急伸。日本時間朝方に一時109.86まで下げ幅を広げるも、@中国で新型コロナウィルスへの感染者数の増加ペースが鈍化したことが伝わると、Aアジア株及び欧米株の堅調推移や、B上記Aを受けたリスク選好の円売りムード、C米・1月住宅着工件数(結果156.7万件、予想142.5万件)や、D米・1月生産者物価指数(結果2.1%、予想1.6%)、E米・1月生産者物価コア指数(結果1.7%、予想1.3%)、
F米・1月建設許可件数(結果155.1万件、予想145.0万件)の良好な結果、G年初来高値110.30を上抜けたことに伴うショート勢のロスカット(ショートカバー)が支援材料となり、米国時間午後にかけては、昨年5/3以来、約9ヶ月半ぶり高値111.49まで急伸しました(2019年5月3日と2019年5月6日の間に作られていた窓埋めに成功)。本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)でも、111.44近辺で推移するなど、高値圏での底堅い動きが続いております。
昨日のユーロドル相場で安値更新後に持ち直す展開。@良好な米経済指標(1月住宅着工件数や、1月生産者物価指数、1月生産者物価コア指数、1月建設許可件数)を受けたドル買いを背景に、米国時間にかけて、一時1.0782(約2年10ヶ月ぶり高値)まで下落するも、A中国における新型コロナウィルスの感染者数の増加ペース鈍化を受けたリスク選好ムード(ドル売り・円売り・スイス売り)が支援材料となると、米国時間午後にかけて持ち直す動きとなりました。本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では1.0798近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、2/3(月)に記録した安値108.32をボトムに反発に転じると、昨日(2/19)は一時111.49まで急伸しました(約9ヶ月半ぶり高値)。この間、200日移動平均線や一目均衡表雲下限及び上限、一目均衡表基準線及び転換線、ボリンジャーミッドバンド、109.70近辺に控える強力なチャートポイント、心理的節目110円及び111円、昨年5月に作られた窓埋め成功など、テクニカル的に見て「地合いの強さ」を意識させるチャート形状となっております。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大リスク、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的に「底堅さ」を見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが、「続伸を阻む」シナリオが想定されます。本日発表される一連の米経済指標(2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や、新規失業保険申請件数、1月景気先行指数など)が冴えない結果となった場合には、「米景気減速懸念→米利下げ観測再燃→米長期金利低下→ドル売り」の経路で、ドル円が再度押し下げられるリスクも想定されます(一方、力強い数字となった場合は、俄かショートのロスカットを巻き込みながらもう一段上げ幅を拡大する恐れあり)。新型コロナウィルスに絡むヘッドラインや、米経済指標の結果を睨みながらも、当方では一巡後のドル円反落をメインシナリオとして予想いたします(窓埋め成功に伴う達成感)。
本日の予想レンジ:111.00ー111.70
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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