来週の為替相場見通し:『新型肺炎が引き続き市場のテーマ。リスクオンの賞味期限切れに警戒』(2/15朝)

テクニカル的に見て「地合いの強さ」を意識させるチャート形状となっております。

来週の為替相場見通し:『新型肺炎が引き続き市場のテーマ。リスクオンの賞味期限切れに警戒』(2/15朝)

新型肺炎が引き続き市場のテーマ。リスクオンの賞味期限切れに警戒

今週のレビュー(2/10−2/14)

<ドル円相場>
今週のドル円相場は、週初109.86で寄り付いた後、@新型コロナウィルスの感染拡大を巡る警戒感を背景に、週明け早々に一時109.56まで下げ幅を広げました。しかし、ボリンジャーミッドバンドに下支えされると、A新型コロナウィルスの感染者数が先月30日以来の低水準に留まったことや、B上記Aを受けてリスク選好ムード(グローバルな株高→円安)が広がったこと、C対ユーロでドル高が進行したこと等が支援材料となり、週央にかけては、高値110.14(1/21以来、約3週間ぶり高値)まで反発しました。もっとも、年初来高値110.30(1/17)を前に戻り売りが強まると、D新型コロナウィルスの感染再拡大(中国湖北省が感染基準を見直したことで感染者数が大幅増加)を受けた世界的なリスク回避ムードの再燃(株安・円高)、E110円台での上値の重さを嫌気した見切り売り、F週末を前にしたポジション調整が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では109.77近辺まで押し戻される展開となっております。

尚、注目されたパウエルFRB議長による半期に一度の議会証言では、「米経済は良好な位置にある」「通商政策を巡る不確実性リスクが減少」「大幅な再評価が必要とならない限り金利を調整する必要はない」との言及があった一方、「新型コロナウィルスの感染拡大が世界経済に波及するリスクを緊密に注視している」「米国も何らかの影響を受ける公算が極めて大きい」との発言も見られるなど、強弱まちまちの内容にドル円の反応は限定的となりました。

<ユーロドル相場>
今週のユーロドル相場は、週初1.0951で寄り付いた後、早々に高値1.0959まで上昇しました。しかし、@英合意なき離脱リスクの再燃や、Aカーニー英中銀(BOE)総裁による「追加利下げ」を示唆する発言、B上記@Aを受けた英ポンド下落→ユーロ連れ安の流れ、Cドイツを巡る政局不透明感の高まり(メルケル首相が率いるドイツの最大与党CDUのクランプカレンバウアー党首が辞任する意向を固めたとの報道)、Dユーロ圏・12月小売売上高(結果▲1.6%、予想▲0.9%、約2年ぶり大幅減)や、Eドイツ・12月製造業受注(結果▲2.1%、予想0.6%)、

Fユーロ圏・12月鉱工業生産指数(結果▲2.1%、予想▲1.6%、約4年ぶり低水準)の冴えない結果、G上記DEFを受けたECBによる追加金融緩和観測(欧州経済の先行き不透明感→ECBによる追加緩和観測→欧州債利回り低下→ユーロ売り)、H欧州委員会による「中国を発生源とする新型コロナウィルスの感染拡大は主要な下方リスク」との警告が重石となり、週末にかけては、2017年4月24日以来、約2年10ヶ月ぶり安値1.0828まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では1.0838近辺で推移しております。

来週の見通し(2/17−2/21)

<ドル円相場>
ドル円は、2/3に記録した安値108.32をボトムに反発に転じると、今週半ば(2/12)にかけて、約3週間ぶり高値110.14まで上昇しました。この間、200日移動平均線や、一目均衡表雲下限及び上限、一目均衡表基準線及び転換線、ボリンジャーミッドバンド、109.70近辺に控える強力なチャートポイント(添付チャートの赤色水平線)を全て上抜けするなど、テクニカル的に見て「地合いの強さ」を意識させるチャート形状となっております。但し、年初来高値110.30を前に戻り売り意欲も根強く、110円台での滞空時間は極めて短いものに留まりました。

一方、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、C米中貿易摩擦の再燃リスク(第2段階合意の後ずれリスク)、D朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、E新型コロナウィルスの感染拡大リスク(パンデミックリスク)、F英合意なき離脱の再燃リスク、G米大統領選挙の先行き不透明感など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的に「底堅さ」を見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが「続伸を阻む」シナリオが想定されます。来週発表される一連の米経済指標(ニューヨーク連銀景況指数や、生産者物価指数、住宅着工件数、景気先行指数、中古住宅販売件数など)が冴えない結果となれば、「米景気減速懸念→米利下げ観測再燃→米長期金利低下→ドル売り」の経路で、ドル円が再度押し下げられるシナリオも想定されます。新型コロナウィルスに絡むヘッドライン(サプライチェーンへの打撃→世界経済の減速懸念→リスク回避の株安・円買い)や、米経済指標の結果、米当局者発言(来週は米当局者に講演会が複数予定されている)、米国債償還・利払いに伴う本邦機関投資家の円転リスクを睨みながらも、当方では引き続き、ドル安・円高をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目110円丁度や、年初来高値110.30をバックに戻り売りが強まる展開。109.50を割り込めば市場参加者のストップSELLを誘発する恐れも)。

来週の予想レンジ(USDJPY):108.00ー110.50

<ユーロドル相場>
ユーロドル相場は、昨年末(12/31)に記録した約4ヶ月半ぶり高値1.1240をトップに反落に転じると、今週末にかけて、約2年10ヶ月ぶり安値1.0828まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、200日移動平均線や90日移動平均線、一目均衡表雲上限および下限を下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転、強い下落トレンド入りを示唆するバンドウォークも成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を強く意識させるチャート形状となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米中貿易摩擦が欧米貿易摩擦に波及するリスク(欧米貿易摩擦の激化懸念)や、Aユーロ圏経済及び物価の先行き不透明感、Bイタリアを巡る財政悪化懸念および政局不透明感、C冴えない欧州ファンダメンタルズを背景としたECBによる追加緩和観測(早期正常化期待の大幅後退)、D英国情勢の先行き不安(英合意なき離脱リスクの再燃や、英米通商協議の難航リスク)、E新型コロナウィルスの感染拡大を受けたリスク回避ムード(ドル買い・円買い・スイス買い)、Fドイツの政局不透明感の高まりなど、ユーロドルの上値を抑制する材料が複数存在する状況です。

以上の通り、ユーロドル相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。欧州経済指標(ドイツ2月ZEW景況感調査や、ユーロ圏2月消費者信頼感指数、ユーロ圏2月製造業PMI及びサービス業PMI、ECB理事会議事録など)の結果や、新型コロナウィルスに絡むヘッドライン、ドイツの政局を巡る続報を睨みながらも、来週はユーロドルの続落をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目1.0800割れを試す展開)。

来週の予想レンジ(EURUSD):1.0725−1.0950

新型肺炎が引き続き市場のテーマ。リスクオンの賞味期限切れに警戒

ドル円日足

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