上下とも動きにくい、レンジ継続の公算も(2/14夕)

14日の東京市場は、「行って来い」。

上下とも動きにくい、レンジ継続の公算も(2/14夕)

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14日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル高・円安に振れるも続かず、再び押し戻されている。

ドル/円は109.75-80円で寄り付いたのち、乱高下をたどりつつ、一時は日中高値である109.90-95円までじり高推移。しかし、110円にはとどかず、軟落するとそのまま109.75円、オープンレベルまで押し戻されている。引き続き、新型コロナウイルスに関するニュースに注目しつつ、日米中の株価動向に一喜一憂する展開だった。16時時点では、109.75-80円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、ここ2-3日は荒っぽい値動きをたどっていたNZドルだが、本日は凪相場。実際、対円では20ポイント強の変動にとどまっていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型肺炎」について。
まず、日本国内において、和歌山県や東京都内などでの感染が確認され、しかも中国渡航歴のない人間の発症も加わっており思惑を呼ぶ。すでに国内で被害が拡大している感も否めず、じわじわと危機感が高まってきているようだ。なお、そうしたなか日経新聞は、日経センターの予測として、「1-3月期GDPは0.46ポイント下振れを見込んでいる」と報じるなど、経済への具体的なダメージも具体的に取り沙汰されていた。
それに対して、発症元とされる中国では、習国家主席が「新型コロナウイルスの感染拡大の影響を最小限に食い止め、経済発展の勢いを維持できる」などと述べ、楽観的な見通しを示したとされるものの、感染拡大は止まらず。共同通信など複数メディアからは、「3月5日から北京で開催する予定の全国人民代表大会(全人代=国会)を延期する方向で調整していることが分かった」との報道も観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

新型コロナウイルスによる感染者数は中国本土だけで6万3851人、死者数は1380人となった。前者は前日比で5000人近く増加しており、感染はいまだ広がっている感を否めない。加えて、先でも取り上げたように各国経済への影響や、政治活動などへの制約も顕在化、それらに対して警戒を抱く向きも多くなってきているようだ。為替市場においては、さらにドル安が進行するかどうかは不明だが、ドルの上値が重い状況がいましばらく続くと考えざるを得ないように思われる。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型肺炎」、「米大統領選」など気掛かりな要因は引き続き目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは依然として「新型肺炎」絡みの話題。ただ、本日は欧米で注目の経済指標が複数発表されることで、その内容を注視しているとの声も聞かれていた。とくに、米国における2月のミシガン大消費者信頼感指数速報値は、その内容如何で相場の波乱要因となりかねないかもしれない。

テクニカルに見た場合、先日、過去1週間程度推移していたレンジ上限を超えるも、結局回帰。109.50-110.00円という従来のレンジを、上方向に15ポイントほど広げただけにとどまった。
いずれにしても、本日がこのまま109円後半での値動きをたどるなら、一週間を通した週間レンジは60ポイントにもとどかない、今年一番の小動きで終わることになる。まずは、足もとの形成レンジをどちらに抜けていくのかもその方向性に注目だ。

本日は、1月の鉱工業生産や同設備稼働率、2月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値など、なかなか重要な米経済指標が発表される予定となっている。先週の流れからすれば、好数字ならドルの下支えに寄与する可能性も否定出来ない。
また別途、メスター・クリーブランド連銀総裁による講演などにも一応要注意であるほか、本日ということではなく、この週末の新型コロナウイルスに絡む一連の動きも気掛かり。来週初のオセアニア時間、荒れ模様の寄り付きも!?

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.30-110.20円。ドル高・円安方向は、今週示現したドルの戻り高値110.14円が最初の抵抗。超えれば、年初来高値110.30円や110円半ばなどが視界内に。
対するドル安・円高方向は、昨日安値109.62円や、最近のレンジ下限である109円半ばの攻防にまずは注目。ただ、割り込んでも移動平均75日線が位置する109前半では底堅そうで、大崩れは見込みにくい。(了)

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ドル円日足

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