<< 東京市場の動き >>
週明け3日の東京市場は、ドルが小じっかり。早朝には一時直近安値を更新する局面も見られたが、その後は買い戻しが優勢だった。
先週末以降も、引き続き新型肺炎に関する報道が相次ぐ。たとえば、「中国における感染者数は1万人越え、死者は300人超」、「中国本土以外で初の死者発生」、「中国の民間シンクタンクが『GDP伸び率が大幅に落ち込む』との見通し発表」−−などになる。
そうしたなか寄り付いたドル/円は、春節(旧正月)明けの中国株式市場の動きに対する警戒感などもあり冴えない。オープン直後に108.25-30円を示現し、直近安値を一時更新する局面も観測されていた。
しかし、時間外で取引されているNYダウ先物が200ドルを超える上昇をたどったほか、注目の中国株も弱含みながら、なんとか予想の範囲内にとどまったとの見方が多く、徐々にドル買いが優勢に。108.60円近くまで買い戻され、16時時点でもドルの高値圏108.50円前後で推移、欧米時間を迎えている。
材料的に注視されていたものは、「新型肺炎」と「英国情勢」について。
前者である「新型肺炎」に関する話は週末、前述したようにネガティブなものが大多数を占めるも、反面で「中国人民銀、連休明け初日の3日金融市場で1.2兆元を供給」、「中国証券監督管理委員会、証券会社に空売り禁止を口頭で指導」といった金融市場へのダメージ軽減を狙った中国サイドの動きも幾つか観測されていた。また、タイ保健省が「新型肺炎はインフル・エイズ治療薬の投与で症状が改善した」と発表したことも、一部で好感されていたようだ。
対する後者は、予定どおり1月31日を持ち英国がEUを離脱。それにともなう要人発言などが多数観測されていた。ちなみに、当事者である英国のジョンソン首相からは「EU離脱は終わりでなく始まり」と希望を前面に出したコメントが聞かれていたもよう。また、それとは別に「ロンドンでテロ発生か、2人が刺され負傷し犯人は射殺される」、「英当局、ポンド相場で再びに不審な動きを観測し調査開始」といったニュースも報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
新型肺炎の被害は国内外で引き続き拡大中。依然として予断は許さないものの、タイ保健省の発表などもあり、ようやく一息ついた感がある。このあとの米株の動きなどによるが、ドル/円も短期的にはいま一段の調整が入る可能性を否定出来ないかもしれない。とは言え、新型肺炎による中国経済へのダメージなども意識されはじめており、今後具体的な影響が確認されれば、再び円買いが強まっても不思議はないだろう。そうした意味では、ドルの頭も重そうだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「ウクライナ疑惑(トランプ氏弾劾の動き)」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型肺炎」など注意すべき要因は数多い。なかでも、依然としてもっとも警戒を要するものは「新型肺炎」。また「米大統領選」絡みの動きも徐々に注視されそうだ。ちなみに、後者について本日は「アイオワ州党員集会」が実施され、与党共和党もさることながら野党民主党の候補者選びを警戒している向きが少なくない。左派リベラルの躍進は如何に!?
テクニカルに見た場合、本日早朝にドルは直近安値を下回るも、下値は108.25-30円まで。これは年初来安値107.65円を起点とした上げ幅の76.4%押しにほぼ合致する。油断は禁物だが、止まるべきところで止まったと言えるのかもしれない。
それに対するドルの抵抗は、まず108.60円レベル。超えれば、移動平均の75日線が位置する109円前後がターゲットに。
一方、材料的に見た場合、1月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数など幾つかの米経済指標が発表される予定で、まずはそれらに注目。今週は週末の雇用統計を中心に、重要な米経済指標の発表が相次ぐだけに、米ファンダメンタルズ要因が市場の隠れテーマになるといった見方も一部で取り沙汰されていた。
そのほか、アトランタ連銀総裁による講演や、前述した「アイオワ州党員集会」の行方なども気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-109.10円。ドル高・円安方向は、本日東京高値にあたる108.60円レベルが最初の抵抗。超えれば、移動平均の75日線が位置する109円前後、109.15-25円などを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、東京安値でありフィボナッチでもテクニカルポイントにあたる108.25-30円の攻防にまずは注目。しっかり下回れば107.65円、ドルの年初来安値が視界内に捉えられかねない。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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