ドル円、約3週間ぶり安値圏へ。世界保健機関(WHO)は非常事態を宣言
海外時間の為替概況
30日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@パウエルFRB議長による「新型コロナウィルスの感染拡大による影響を注意深く監視」との発言(FOMC後の記者会見)や、A米・第4四半期コアPCE速報値(結果1.3%、予想1.7%)の冴えない結果(※第4四半期GDP速報値は市場予想通りの2.1%)、B米国にて「(新型コロナウィルスを巡って)人から人への感染が確認された」との一部報道、C上記Bを受けたリスク回避ムード(株安・円高)が重石となり、米国時間午後にかけて、1/8以来、約3週間ぶり安値となる108.58まで下落しました。しかし、D世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言しつつも、旅行や貿易を不必要に制限することは推奨しない方針を示すと、安堵から買い戻しが優勢となり、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では108.81近辺まで持ち直す動きとなっております。
一方、ユーロドル相場は1日を通して底堅い動き。欧州勢参入後に一時1.1007まで下落するも、心理的節目1.1000をバックに押し目買いが強まると、@英ポンドの上昇に連れ高となったこと(英中銀は政策金利を0.75%へ据え置くことを決定)や、A米・第4四半期コアPCE速報値(結果1.3%、予想1.7%)の冴えない結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1040まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では1.1035近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、1/17に記録した高値110.29をトップに反落に転じると、昨日は一時108.58まで下落しました。この間、109.70近辺に控える支持帯(サポート水準)や、一目均衡表転換線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表雲上限及び基準線を下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります(※昨晩は一目均衡表雲下限を一時的に下抜けするも、終値ベースでは下抜けに失敗した形となっております)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米国ファンダメンタルズの冴えない結果、C米中貿易摩擦の再燃リスク(第2段階合意の後ずれリスク)、D朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、E新型コロナウィルスの感染拡大リスクなど、ドル売り・円買いを想起させる材料がたくさん残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「上値の重さ(戻り売り)」が意識されます。新型コロナウィルスの感染拡大に端を発した世界経済への下押し圧力も、株安を通じて、リスク回避的な円高を後押しする可能性があります(※世界保健機関WHOは緊急事態を宣言)。本日発表される米中の主要経済指標(中国・1月製造業PMIや、米・12月PCEコアデフレータ、米・1月ミシガン大消費者信頼感指数、米・1月シカゴ購買部協会指数など)が市場予想を下回る結果となった場合には、世界経済の減速懸念→米景気減速懸念→米長期金利低下→ドル売りの経路でドル円が一段と押し下げられるリスクも高まります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落(戻り売り)をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:108.40ー109.20
ドル円
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.11.22
ドル円見通し 21日夜からの反落で一時154円割る、日銀総裁は12月利上げの可能性排除せず(24/11/22)
ドル円は21日深夜には153.90円まで安値を切り下げた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.22
ドル円、下落後に反発するなど底堅い動き。上昇トレンドの継続を想定(11/22朝)
21日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.01.31
ドル円見通し 1月17日以降の安値を更新したが、WHO緊急事態宣言から戻す(20/1/31)
WHOが緊急事態宣言を発した後は目先の材料一巡でダウが反騰に転じたため、ドル円も109円に迫るところまで反発している。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2020.01.30
ドル下値リスク再燃、週間安値の攻防注視(1/30夕)
30日の東京市場は、ドルが小安い。値幅は狭いが、ドルじり安といった展開で、週明けの週間安値108.73円が視界内に捉えられている。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。