ドル円、約3週間ぶり安値圏へ。世界保健機関(WHO)は非常事態を宣言(1/31朝)

30日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。

ドル円、約3週間ぶり安値圏へ。世界保健機関(WHO)は非常事態を宣言(1/31朝)

ドル円、約3週間ぶり安値圏へ。世界保健機関(WHO)は非常事態を宣言

海外時間の為替概況

30日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@パウエルFRB議長による「新型コロナウィルスの感染拡大による影響を注意深く監視」との発言(FOMC後の記者会見)や、A米・第4四半期コアPCE速報値(結果1.3%、予想1.7%)の冴えない結果(※第4四半期GDP速報値は市場予想通りの2.1%)、B米国にて「(新型コロナウィルスを巡って)人から人への感染が確認された」との一部報道、C上記Bを受けたリスク回避ムード(株安・円高)が重石となり、米国時間午後にかけて、1/8以来、約3週間ぶり安値となる108.58まで下落しました。しかし、D世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言しつつも、旅行や貿易を不必要に制限することは推奨しない方針を示すと、安堵から買い戻しが優勢となり、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では108.81近辺まで持ち直す動きとなっております。

一方、ユーロドル相場は1日を通して底堅い動き。欧州勢参入後に一時1.1007まで下落するも、心理的節目1.1000をバックに押し目買いが強まると、@英ポンドの上昇に連れ高となったこと(英中銀は政策金利を0.75%へ据え置くことを決定)や、A米・第4四半期コアPCE速報値(結果1.3%、予想1.7%)の冴えない結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1040まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では1.1035近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、1/17に記録した高値110.29をトップに反落に転じると、昨日は一時108.58まで下落しました。この間、109.70近辺に控える支持帯(サポート水準)や、一目均衡表転換線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表雲上限及び基準線を下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります(※昨晩は一目均衡表雲下限を一時的に下抜けするも、終値ベースでは下抜けに失敗した形となっております)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米国ファンダメンタルズの冴えない結果、C米中貿易摩擦の再燃リスク(第2段階合意の後ずれリスク)、D朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、E新型コロナウィルスの感染拡大リスクなど、ドル売り・円買いを想起させる材料がたくさん残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「上値の重さ(戻り売り)」が意識されます。新型コロナウィルスの感染拡大に端を発した世界経済への下押し圧力も、株安を通じて、リスク回避的な円高を後押しする可能性があります(※世界保健機関WHOは緊急事態を宣言)。本日発表される米中の主要経済指標(中国・1月製造業PMIや、米・12月PCEコアデフレータ、米・1月ミシガン大消費者信頼感指数、米・1月シカゴ購買部協会指数など)が市場予想を下回る結果となった場合には、世界経済の減速懸念→米景気減速懸念→米長期金利低下→ドル売りの経路でドル円が一段と押し下げられるリスクも高まります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落(戻り売り)をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:108.40ー109.20

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ドル円

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