ドル円、上値の重い展開。109.70近辺の支持帯を下抜けられるかに注目
海外時間の為替概況
22日(水)の海外市場でドル円は上値の重い展開。アジア時間朝方に高値110.10まで上値を伸ばすも、前日高値110.22を前に伸び悩むと、@米・シカゴ連銀全米活動指数(結果▲0.35、予想0.13)及び、A米・11月FHFA住宅価格指数(結果+0.2%、予想+0.3%)の冴えない結果や、B新型コロナウィルスの感染拡大を巡る警戒感の高まり、Cムニューシン米財務長官による「中国との第2段階通商合意を結ぶ厳密な期限は無い」との発言が重石となり、米国時間にかけて、安値109.83まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では109.89近辺で推移しております。尚、この日発表された米・12月中古住宅販売件数(結果554万件、予想543万件)は市場予想を上回る良好な結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。
ユーロドル相場は方向感に欠ける展開。欧米貿易摩擦の激化懸念や、対英ポンドでのユーロ売りを背景に、一時1.1070まで下げ幅を広げる場面も見られましたが、翌日(1/23)開催されるECB理事会を前に様子見ムードも根強く、方向感を見出すには至りませんでした。本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では1.1092近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、1/8に記録した安値107.64をボトムに反発に転じると、先週末(1/17)にかけて、高値110.29まで上昇しました。この間、主要レジスタンスポイントである200日移動平均線や、一目均衡表転換線、一目均衡表基準線、一目均衡表雲上限、ボリンジャーミッドバンド、昨年11月以降幾度となく続伸を阻んできた109.70近辺の抵抗帯を突破した他、強い買いシグナルを表す三役好転も点灯するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となりました。しかし、一昨日(1/21)以降は終値ベースで110円台の大台を維持できておらず(109円台後半へ押し戻されており)、やや上値の重さも目立ち始めました(109.70近辺がロールリバーサルでひとまずサポートとして機能しているが、同水準を割り込んだ場合は、ロング勢によるロスカット主導で一段安となる恐れあり)。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米国ファンダメンタルズの冴えない結果、C米中貿易摩擦の再燃リスク(第1段階合意署名は実現するも、第2段階合意は後ずれする公算大)、D朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、E新型コロナウィルスの感染拡大リスクなど、ドル売り・円買いを想起させる材料はたくさん残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。本日発表される米経済指標(米・12月景気先行指数や、米・新規失業保険申請件数など)が冴えない結果となったり、新型コロナウィルスの感染拡大が報じられれば、米長期金利低下→ドル売りの経路と、米株安→リスク回避の円買いの双方の経路で、ドル円が一段と押し下げられるシナリオも想定されます(109.70割れに控えるロング勢のストップを付けにいく展開)。米中及び中東を巡るヘッドラインや、米経済指標の結果、新型コロナウィルスに絡む続報を睨みながらも、本日はドル円の続落をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:109.40ー110.20
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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