<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、ドルが小じっかり。前日NY終盤の流れを継ぎ、緩やかな右肩上がり。一時110円台を回復する局面も。
ドル/円は寄り付いた109.80-85円を日中安値にじり高。一時110.10円レベルまで値を上げている。中国における新型肺炎の広がりを受けて上海株価指数が3000割れをうかがうレベルまで落ち込むも底堅く、そののちプラス圏を回復したことなどが逆に好感され、為替市場におけるリスク回避の動きも限定的なものにとどまった。16時時点では110.00-05円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ダボス会議」と「新型肺炎」について。
前者については、21日から始まったダボス会議で、世界の要人による講演が実施され、幾つか興味のある発言が伝えられている。ただ、やはりもっとも関心を集めていたのはトランプ米大統領のコメント。具体的には「FRBの利上げは早すぎる、利下げは逆に遅すぎる」、「中国との第2段階通商交渉をまもなく開始」、「大型減税など、米国の例にならうべき」−−などといった発言が聞かれ、話題となっていた。
対する後者は、人から人に感染する公算が大きいとされ、新たな不安が喚起されるなか、台湾や米国でも発症者が確認されたとのニュースがさらに不安をあおる結果に。また、肺炎拡大を警戒し、日本の外務省が「中国への渡航危険情報」を発表。さらに、「北朝鮮が中国との国境を閉鎖」との報道も思惑をよんだ。
<< 欧米市場の見通し >>
突然マーケットの波乱要因に浮上した「新型肺炎」をめぐり、マーケットは右往左往。ドル/円はやや下値リスクが高まってきた感を否めないが、109.75-110.30円という50ポイント強、過去1週間程度のレンジ内にはいまだとどまっている。ただ、引き続き注意は必要で、今後の旧正月を受けた中国人海外渡航者の増加などを受け、被害の爆発的な広がりが再確認されるようだと、改めて為替や株式といった金融市場へも多大な影響を及ぼす可能性もありそうだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「ウクライナ疑惑(トランプ氏弾劾の動き)」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注意すべき要因は依然として多い。そうしたなか、目先市場で注視されているのは「新型肺炎」と、昨日から本格的な審議が始まった「ウクライナ疑惑」に関する話題。
うち前者については、一部で2003年に大流行した「SARS(重症急性呼吸器症候群)」のような事態に陥る危険性も取り沙汰されるなか、世界保健機関(WHO)は22日に緊急委員会を開催し対応などを協議するもよう。まずはそれを注視している向きも少なくない。
テクニカルに見た場合、昨日NYに過去1週間程度推移しているレンジ下限割れを試すも失敗に終わった。依然として109.75-110.30円という50ポイント強のボックス内にはとどまっている。「新型肺炎」のニュースもあり、ドルの上値は重そうだが、下値トライを昨日失敗しているだけに、積極的なドル売りにも動きにくい雰囲気。油断は禁物だが、110円挟みのレンジ取引がいましばらく続く可能性も。
材料的に見た場合、12月のシカゴ連銀全米活動指数や同中古住宅販売件数といった米経済指標が発表されるほか、カナダ中銀による政策金利発表と総裁会見も実施される見込みだ。
ちなみに、後者であるカナダ中銀の政策金利発表は「据え置き」との見方が大勢だが、声明内容などは若干タカ派寄りになるとの指摘も聞かれている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.70-110.40円。ドル高・円安方向は、引き続きここ最近のレンジ上限にあたる110.30円の攻防をまずは注視。超えれば110円半ば、110.65-70円などを目指す。
対するドル安・円高方向は、昨日も下げ止まった直近のレンジ下限である109.75円レベルが引き続き強いサポートに。底堅いイメージは継続しているものの、下方向のストップロスも徐々に蓄積されつつあり、仮に巻き込むと予想以上の下落も。
ドル円60分足
オーダー/ポジション状況
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