ドル円 レンジ下限に接近、ダボス会議が波乱要因か(1/21夕)

21日の東京市場は、ドルが小安い。3日ぶりに110円を割り込む局面も観測されたが、それでも底堅く、大崩れするには至らなかった。

ドル円 レンジ下限に接近、ダボス会議が波乱要因か(1/21夕)

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21日の東京市場は、ドルが小安い。3日ぶりに110円を割り込む局面も観測されたが、それでも底堅く、大崩れするには至らなかった。

ドル/円は110.15-20円で寄り付いたものの、ドルは終日を通して冴えない。日経平均株価が終値ベースで218円安を記録、時間外で取引されているNYダウ先物も100ドル程度下落するなど、日米の株価が冴えずにドルの売り要因となっていた。ただ、下値は109.85-90円と、過去1週間程度のレンジ下限は割り込めず、一抹の底堅さも。16時時点では109.90-95円で推移、欧米時間を迎えている。

材料的に注視されていたものは、「新型肺炎」と「ダボス会議」について。
前者については、中国を中心とした新型肺炎の被害拡大が、マーケットでも話題になってきた。この先、中国が春節(旧正月)を迎えるなか、北京大教授が「人から人に感染している可能性が非常に大きい」との見方を示したことも、思惑を呼ぶキッカケになったという。感染のさらなる拡大を懸念する声は少なくない。なお、世界保健機関(WHO)は22日に緊急委員会を開催し対応などを協議するという。

対する後者は、21-24日にスイスのダボスで開催される世界経済フォーラム(通称;ダボス会議)への関心が高まりつつあるようだ。安倍首相やロシアのプーチン大統領、中国の習国家主席などは欠席する見通しだが、2年ぶりに参加するトランプ米大統領の一挙手一投足が注視されている。ちなみにトランプ氏、21日の日本時間19時半から演説を実施するほか、フォンデアライエン欧州委員長やイラクのサレハ大統領、パキスタンのカーン首相、スイスのソマルガ大統領などと会談する予定とされている。

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本日東京時間にドルは軟落。110円を割り込む展開となっているものの、下値は109.85-90円で下げ止まっている。つまり、109.75-110.30円という50ポイント強、過去1週間のレンジ内にはいまだとどまっている状況だ。まだ明確な方向性はうかがえないが、このあとレンジの下限を割り込むようだと、ドルの下げが一時的にせよ加速する可能性もある。ドルの下値は短期的な正念場を迎えているのかもしれない。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「ウクライナ疑惑(トランプ氏弾劾の動き)」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注意すべき要因は依然として少なくない。そうしたなか、目先市場で注視されているのは「ウクライナ疑惑」と「ダボス会議」の2点。後者については、先で指摘したトランプ氏の講演がとくに注視されており、その内容如何では波乱もあり得るなどと警戒されている。また前者は、本日から上院で弾劾裁判の実質審議が開始される見込み。当人不在の状況で、如何なる動きとなるのか要注目だ。

テクニカルに見た場合、過去1週間程度推移している109.75-110.30円という50ポイント強のボックス内にはとどまっているものの、昨日までの上限越えをうかがう展開が一転、足もとは下限割れを視界内に捉えての値動きとなっている。
仮に続落し、下限を割り込んできた場合には、次のターゲットは移動平均の25日線が位置する109.35-40円、そして109円前後などに。

一方、材料的に見た場合、とくに目立った米経済指標の発表などは予定されていない。しかし、先で指摘したように24日までの日程で「ダボス会議が始まる」うえ、「米上院でトランプ氏弾劾裁判の実質審議」も開始される見込みだ。米国ファクターには注意を払いたい。
また、EU財務相理事会が開催されるほか、注目度の高い経済指標である12月の英雇用統計や1月の独ZEW景況感指数を警戒する声も一部で聞かれている。


そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.50-110.30円。ドル高・円安方向は、引き続きレンジ上限にあたる110.30円の攻防にまずは注視。超えれば110円半ば、110.65-70円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、いまだとどかない直近のレンジ下限である109.75-80円が強いサポート。底堅いイメージは継続しているものの、下方向のストップロスも徐々に蓄積されつつあることがやや気掛かり。

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