米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)(20/1/15発表)

報告内容期間は2020年1月6日以前までとなっています。

米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)(20/1/15発表)

米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)

昨日(15日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容になっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2020年1月6日以前までとなっています。

(全般的は経済活動)

2019年末までの最終6週間では、全般的な経済活動は引き続き緩やかに拡大した。ダラスとリッチモンド地区は平均以上の成長を記録したが、一方でフィラデルフィア、セントルイス、カンザスシティは平均以下の成長と報告された。消費支出は控えめなペースから緩やかなペースに伸びた。これは前回の報告から多くの地区が伸びを報告している。全体として、休日販売は堅調であったといわれ、幾つかの地区がオンラインショッピングの重要性が高まっていることを指摘している。少数の地区が販売の伸びが横這いと報告しているけれども、全般的に自動車販売は緩やかに拡大した。観光は混在しており、東海岸地区では伸びが報告されたが、中西部や西地区ではほとんど変化がなかった。製造業活動は、前回同様に多くの地区で本質的に横這いとなった。非金融サービス業はまちまちだが、全般的には緩やかに伸びている。輸送業も地区毎でまちまちとなり、横這いからより弱くなったと多くが報告している。銀行は、貸出量が安定し、適度に拡大していると特記している。

住宅販売のトレンドは地区毎で大きく異なり、全般的には横這いであった。一方で、住宅の賃貸市場は強かった。幾つかの地区では低い在庫により住宅販売を抑制していたと報告している。新規住宅建設は緩やかに拡大している。商業不動産活動は地区により大きく異なっている。農業部門は、エネルギー部門同様ほとんど変わらなかった。多くの地区では、関税と貿易の不確実性が幾つかのビジネスに影響を与えているとしている。近い将来の見通しに対する期待感は国全体では好ましい状況を維持している。

(雇用と賃金)

雇用はほとんどの地区で安定し、緩やかに拡大している。一方で、労働市場は国全体では厳しいままとなっている。ほとんどの地区では労働不足の状況が広がっており、この状況が雇用の伸びを、幾つかのケースでは事業拡大を抑制している。2・3の地区では、専門職・技術職・管理職に対する旺盛な需要があると指摘している。多くの地区では、製造業間で人員削減や雇用削減をしているのと報告があった。そして輸送業やエネルギー部門での人員削減の報告があった。賃金の伸びは多くの地区で、前回報告と同様に、控えめあるいは緩やかであると特徴づけている。また、最低賃金の年末上昇により賃金の上げが報告されている。2・3の地区では福利厚生・インセンティブ・訓練プログラム、自動化による欠員減少などを報告している。

(物価)

物価は前回からの報告期間中、投入コスト同様に引き続き緩やかに上昇している。幾つかの地区では小売物価が幾分速いペースで上昇したと報告している。しかしまだ落ち着いている。2・3の地区では幾つかの企業が関税分コストを消費者に転嫁していることを指摘し、その大部分は小売業でありまた建設業である。地区ではレストランが食品価格上昇による圧力が掛かっていると指摘している。幾つかの製造業部門での、…エネルギー部門も含めて、物価下落の報告があった。これらの地区では、物価がこの先の数ヶ月間上昇を続ける見通しであると指摘している。

(上記出所:FRB HP)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

内容的には前回11月下旬のベージュブックと比べて、物価は小幅ながらも上昇し、これを価格に転嫁する動きが多くなってきた模様で、逆に製造業の悪化は前回よりも記述内容が若干強くなったようです。全般的には米経済は緩やかに拡大していることは変わりません。

さて、ベージュブック後のCMEFedwatchを比較してみます。
(現在のFFレートは1.50〜1.75%レンジになっています。)

米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)

昨年12月のFOMCを挟み、FOMC後では利上げ予想がゼロ(上記B、C)になりましたが、2020年になり再び利上げ派が増えてきています。しかも3月のFOMCでは2.0〜2.25%へ連続利上げを予想する向きが僅かながら0.6%とは言え、存在しています。逆に利下げ予想は完全にゼロとなり、市場は2020年には再び利上げに傾く動きになっています。トランプ大統領の思惑とは違う流れになっているので要注意になります。為替にはドル買い材料ですが、株価への影響次第になってきます。

米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック) 2枚目の画像

チャートは昨年9月から昨日までの米10年債金利(青)とドル円のNY終値(オレンジ)です。ほぼ相関を持って推移していますが、現状では為替が先に反発し金利がまだ軟化傾向になっています。CME Fedwatchを見る限りは青が上昇方向を示唆していることになります。
為替が行き過ぎたのか、金利が付いてこないのか今後2〜3週間の動向がポイントになります。

(2020年1月16日11:11、1ドル=109円95銭、1ユーロ=1.1153ドル)

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