米12月雇用統計予想
本日米雇用統計が発表されます。今回の予想値は下記となっています。
(今回発表予想)1月10日12時現在
@失業率
11月の失業率は予想より0.1%の改善になりました。12月も前月と同じ数値予想とな
っています。下図を見てもある程度下がりきっている感じで、日米共にここからの改
善度合いは遅々としたものになりそうです。
また、市場はNFPや平均時給に目が向いているので、予想レンジを大きく外す数値が
出ない限りは相場への影響は少ないと思われます。
欧州は昨日に11月の失業率が発表されましたが、予想通りの7.5%になりました。欧
州はリーマンショック前の2007年頃の失業率は7.5〜8%でしたので、リーマンショ
ック前の水準まで回復しています。
(黒線の右側は今回の米国失業率予想を加味しています)
A非農業部門雇用者数(NFP)
11月のNFPは市場予想を大きく上回る数値になりました。11月のNFPは26.6万人増で、レンジ上限が23.7万人でしたのでサプライズとなりました。
12月も引き続き好調を維持しており、エコノミスト平均で16万人増となっています。レンジは5.4万人〜22.1万人ですので、レンジ幅が大きいですが、先月数値を見る限りは何が出てもおかしくない状況です。今回の注意点は11月の修正が大きくなる可能性もあるので、11月+12月の42.6万人が予想平均と見ておきます。また水曜日のADP社雇用統計では予想16万人に対して20.2万人と上回り、11月も5.7万人の上方修正ですので、この分勘案すると12月の実質は25.9万人増加になっています。雇用は堅調を維持しています。
さて、今回もADPとNFPの比較をしてみます。前回は大きく外れましたが、ご参考程度に算出します。下記チャートを使い、青:NFP、オレンジ:ADP社となっています。
ここ1年間を見るとNFPとADPがほぼ同じ程度の伸びを辿っていましたが、前回11月は青が突出しました。(注:本来は公務員も含むNFP>民間のADPが基本差異です。最近は約1〜3万人程度が公務員分となっています。11月はこの例でいけば、チャート程度の差異は普通のことになります。)
ADP社は2019年1月〜12月までで191.1万人、NFPの2019年1月〜11月が193.6万人ですので、単純比較ではこの誤差▼2.5万人が予想されます。
また11ヶ月間の両者の平均誤差が5.4万人(NFP>ADP)ですので、ADP社にこの人数を加えると196.5万人となり、NFPの11ヶ月分が193.6万人ですから12月は2.9万人が推計されます。予想レンジとしては▼2.5万人〜2.9万人となり、エコノミスト予想数値下限の半分以下となっています。仮に公務員分の1〜3万人を加えても上限は5.9万人に留まります。もしかしたらサプライスの可能性もあり程度に想定しておいてください。
NFPとADP
B平均時給
11月平均時給は予想を下回る+0.2%になりました。市場はほぼ予想範囲内とて受け止め、ドルはNFPの好数値に反応しました。今回も前回同様に0.3%予想ですが、結果がエコノミストレンジ内に留まればあまり材料視されないと思います。因みに年率ベースでは11月+3.1%で、12月も3.1%予想(レンジ+2.9〜+3.1%)ですので、今回0.3%がでても年率では変わらないことになります。
ドル/円相場は、下図週足チャートを見ると、AとBのドル安トレンドは変わっていません。
ラインAは現在111円70銭付近、ラインBは103円90銭付近にあります。このAとB内で戻り高トライ後の下抜けで過去はCとDは綺麗に下がっていますが、今回はEを抜けても大きく戻しています。ラインEの上限が110円45銭にあるので、現状のドル強い状態からの戻り高値になりそうです。
次に日足を見ると、ラインFを抜けたことでドル安になりましたが、下がりきれずに現在は戻しています。昨年4月高値からの抵抗線ラインGが丁度109円60銭付近にあります。またラインHの横流れ抵抗線が109円80銭にあるので、今日以降の日足で越えて終われるかが今日の雇用統計の数値如何になりそうです。110円台に乗せてくれば週足の抵抗線狙いに。下値は109円00銭、108円70銭にサポートあり、後者を切れて終われば今回の上げは一段落になるかもしれません。
(2020年1月10日14:00、1ドル=109円55銭、1ユーロ=1.1108ドル)
オーダー/ポジション状況
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