<< 東京市場の動き >>
週明け6日の東京市場は、ドルが小じっかり。先週末からの「イラン情勢」を嫌気して安寄りしたが、その後はむしろ下げ渋り。ただ、108円台をクリアに回復できず上値も重い印象。
先週末に、発覚した「米国によるイラン軍司令官の殺害」をめぐり両国の関係悪化が話題に。たとえば、「イランの米大使館付近にロケット弾が撃ち込まれた」との報道もあり、報復ではないかとの思惑を呼んでいた。
そうした状況下で取引が始まったドル/円は、先週末のNYクローズからややドル安・円高の107.85円レベルで寄り付く。その後、107.75円レベルまで続落し、先週末に記録した直近安値を更新したが続かず。むしろ目先安値を記録後のドルはじり高に推移すると、108円台を一時回復する局面も観測されていた。株価の動きなどをにらみつつ、年末・年始の大型連休明けを受けた本邦勢による需給要因、仲値不足観測なども取り沙汰されていたようだ。16時時点では108.05円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「イラン情勢」と「米中通商協議」について。
前者は、「米国によるイラン軍司令官の殺害」をめぐり、米中や米露、米仏、中イランなどの首脳や高官による電話会談が相次ぐも、報じられる内容と言えば「米国を批判」といった内容ばかり。トランプ米大統領がとった行動は賛同を得られず孤立無援といった状況だ。米メディアのなかには大統領選に向けた支持率低下を懸念する観測記事も確認されている。ただ、当のトランプ氏は「イラン司令官殺害は戦争を防ぐため」と発言したうえで、「イランが報復した場合、同国重要施設を含む52ヵ所を短時間で攻撃する」と警告するなど、強気のスタンスをいまだ崩していない。
それに対して後者は、先週にトランプ氏から「15日に中国との第1段階の貿易合意に署名する」との発言が聞かれていたが、それに続く格好で香港英字紙が「中国、貿易交渉団を13日に訪米派遣で計画している」と報じている。第1段階の合意はほぼ確定的と言えそうだが、市場の一部では早くも第2段階についての話が話題となっていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルは先週末に一時108円割れ示現したことに続き、本日東京時間には107.75円レベルまで続落している。下値余地がさらに広がった感も。ちなみに、前述した東京安値に近い107.70円は、昨年8月安値104.44円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにあたるテクニカルポイント。したがって、一旦は下げ止まる可能性を否定できないが、しっかり割り込むと次のターゲットは同半値戻しの107.10円レベルになりそうだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気掛かりな要因が目白押し。いずれも注意を要するが、目先的にとくに注意を要するのは「北朝鮮情勢」と「イラン情勢」か。後者がピリピリとした緊迫感が強まっているような状況下、前者についてもある種のタイムリミットとされる8日を前に、やはりピリピリとしたムードが高まってきた感がある。いずれも、突発的なニュースなどに対して注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドルが続伸し下方向のテクニカルポイントを次々に下抜く展開。昨年11月安値である107.89円も一時下抜け、昨年8月安値104.44円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにあたる107.70円を視界内に捉えた値動きとなっている。まずは同レベルの攻防に注視したい。
対するドルの抵抗は、108.20-25円など幾つかあるものの、強いものとなると移動平均の200日線などが位置する108.60-70円か。仮に早いタイミングで回復すれば、ドルの下値トライはダマシということになりかねない。
本日は、12月の製造業PMIや同総合PMIなどの米経済指標が発表される予定となっている。今週は週末の米雇用統計がもっとも注視されているが、それ以外でもなかなか重要な指標発表が相次ぐ。本日の指標内容にも注意を払いたい。
また、先週末に230ドル超という大きな下げを記録したことに続き、本日東京時間の先物取引でも100ドル以上の下落をたどっているNYダウの動きが気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.70-108.60円。ドル高・円安方向は、時間足など短めのチャートで見た最初の抵抗がある108.20-25円の攻防にまずは注視。超えれば、200日線などが位置する108.60-70円を目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、東京安値も近い107.70円が最初のサポート。下回ると107.10円や107円ちょうどなどがターゲットに。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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