ドル円、クリスマス休暇を前に見切り売り。一時109.20を割り込む展開
19日(木)の外国為替市場でドル円は下落。東京時間朝方(公表相場決定)に一時109.68まで上値を伸ばすも、ここ数日何度も止められている109.70近辺の抵抗帯(レジスタンス)を抜けられず失速すると、@クリスマス休暇を前にした見切り売り(米中第1段階合意を受けても尚110円に届かなかったことに対する失望感)や、A日銀金融政策決定会合での追加緩和見送り、B英ポンド円の急落(英総選挙後の上げ幅の全値戻し)C米・12月フィラデルフィア連銀製造業指数(結果0.3、予想8.0)や、D米・新規失業保険申請件数(結果23.4万件、予想22.5万件)、E米・11月中古住宅販売件数(結果535万件、予想544万件)、F米・11月景気先行指数(結果0.0%、予想0.1%)の冴えない結果、G米長期金利の低下(米10年債利回りは1.950%→1.898%)を受けたドル売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけては、約1週間ぶり安値となる109.18まで反落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では109.27近辺で推移しております。
一方、ユーロドル相場は終始方向感に欠ける展開。欧州勢参入後に高値1.1144まで上昇するも、英ポンドの下落に連れ安となると、米国時間朝方にかけて1.1108まで反落しました。もっとも、同水準(心理的節目1.1100付近)では押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、冴えない米経済指標を受けた「米長期金利低下→ドル売り」の流れが支援材料となり、引けにかけては再び反発。本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では1.1124近辺で推移するなど、上下共方向感を見出しづらい時間帯が続いております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は上値トライ失敗で反落に転じました。109.70近辺に位置する抵抗帯(レジスタンス)に何度も何度も続伸を阻まれるなど(12/2高値109.73、12/13高値109.72)、テクニカル的に見て「上値の重さ」が意識されるチャート形状となっております。目先は、一目均衡表転換線109.07や、ボリンジャーミッドバンド109.07、心理的節目109.00、一目均衡表基準線108.99を試す動きが広がりそうです。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、Bトランプ米大統領によるFRBへの利下げ圧力、C世界的な貿易戦争再開リスク(含む米中貿易摩擦の再燃)、D英国を巡る不確実性など、ドル売り・円買いを想起させる悪材料が増えつつあります。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重さ」が意識されます。但し、年内の重要イベントをほぼ終えたことで、クリスマス休暇入りする市場参加者が増えると見られ、下がったとしても値幅は限られそうです(緩やかな下落に留まる)。米経済指標(第3四半期GDP確定値や、PCEデフレータなど)や、トランプ米大統領弾劾を巡るヘッドライン、米中及び英国を巡る続報を睨みながらも、ドル円の軟調推移を予想いたします。
本日の予想レンジ:108.90ー109.60
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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