ドル円、米長期金利の上昇を横目にじり高推移も109.70近辺のレジスタンは突破できず(12/19朝)

18日(水)の外国為替市場でドル円は小動き。

ドル円、米長期金利の上昇を横目にじり高推移も109.70近辺のレジスタンは突破できず(12/19朝)

ドル円、米長期金利の上昇を横目にじり高推移も109.70近辺のレジスタンは突破できず

海外時間の為替概況

18日(水)の外国為替市場でドル円は小動き。英ポンド円の下落に連れる形で欧州時間序盤に一時109.40まで下げ幅を広げるも、グローバルなリスク選好ムード(米ダウ平均株価の史上最高値圏での推移や、米10年債利回りの急上昇:1.864%→1.933%)に下支えされると、米国勢参入後に109.63まで持ち直す動きとなりました。もっとも、ここ数日何度も止められている109.70近辺の抵抗帯(レジスタンス)をバックに戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと小反落。本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では109.58近辺で推移しております。1日の値幅が僅か23銭に留まるなど、クリスマスシーズンを前に方向感に欠ける展開が続いております。尚、昨日はNY連銀ウィリアムズ総裁より「米経済は本当に好調」「金融政策は良い状態」とのタカ派的な発言が見られた他、シカゴ連銀エバンス総裁からも「労働市場は活況」「経済は非常に良く回っている」との見解が示されました(ドル買い要因)。

一方、ユーロドル相場は上値の重い展開。ドイツ・12月Ifo景況感指数(結果96.3、予想95.5)が史上予想を上回ったことで一時1.1142まで上昇するも、米当局者によるタカ派的な発言や、米長期金利の上昇(米10年債利回りは1.863%→1.933%)が重石となると、米国時間に1.1111まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では1.1118近辺で推移しております

ドル円のテクニカル分析

ドル円は上下共方向感を見出しづらい展開が続いております。上方向(トップサイド)は、12/13高値109.71や、12/2高値109.73、5/30高値109.94、心理的節目110.00が強力なレジスタンスとして続伸を阻み、下方向(ダウンサイド)は、一目均衡表転換線109.07や、ボリンジャーミッドバンド109.04、一目均衡表基準線108.99が密集する109円前後がサポートとして機能しそうです。余程強いドル買い及びドル売り材料が出てこない限り、同水準の上抜け、下抜けは難しいと判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク(米民主党のペロシ下院議長は18日、トランプ氏は米国の民主主義に対する現在進行形の脅威と非難)、Bトランプ米大統領による利下げ圧力、C世界的な貿易戦争波及リスク(含む米中貿易摩擦の再燃リスク)など、ドル売り・円買いを想起させる潜在的な悪材料が燻るものの、D米中対立激化と、E英合意なき離脱といった今年の2大リスク要因が揃って後退したことで、少なくとも年内はリスク選考ムードが続くと考えらえます。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的に横ばい推移が見込まれるものの、ファンダメンタルズ的に見れば「更なる上昇」が期待されます。日銀金融政策決定会合や黒田総裁記者会見、米経済指標(フィラデルフィア連銀景況指数や中古住宅販売件数など)や、トランプ米大統領弾劾を巡るヘッドライン、米中及び英国を巡る続報を睨みながらも、ドル円は上値余地を探る展開(押し目を作りながらも緩やかな短期上昇トレンド)となりそうです(目先は109.70前後のレジスタンスを突破できるか否かに注目)。

本日の予想レンジ:109.30ー109.90

ドル円、米長期金利の上昇を横目にじり高推移も109.70近辺のレジスタンは突破できず

ドル円日足

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