<< 東京市場の動き >>
17日の東京市場は、横這い推移。終日を通して20ポイント以下のレンジ取引で、動意らしい動意はうかがえなかった。
ドル/円は109.50-55円で寄り付いたものの、新規材料難もあり、売買は手控えムード。終日を通して109.50-65円程度のボックス圏で一進一退をたどっている。
ただ、そんな動きの鈍いドル/円を尻目にポンドは本日も活発な動意。対円ではNY終盤の146.35円前後を目先高値に145.10円レベルまで1円以上下落したのち、145.70円台まで下げ幅の半値程度を戻すなど、なかなか激しい上下動を記録していた。
材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、米NEC委員長から「1月上旬に訪英し通商面で協議する」との発言に続き、「ジョンソン英首相がトランプ米大統領と電話協議し、EU離脱後の米英自由貿易協定(FTA)交渉に関して緊密に連携することを確認した」と発表されるなど、離脱後の英国をにらんでの動きも徐々に活発に。そうしたなか、「ジョンソン氏がEU離脱の移行期間延長を回避する法改正を目指す」といった報道もあったようで、これが前述したNY終盤からのポンド安に一役買った。
それに対して後者は、韓国国防研究院が発表した報告書で「北朝鮮、対米交渉決裂なら大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発も」との分析を示し、一部で話題に。また、訪韓している米国のビーガン北朝鮮担当特別代表から「北朝鮮は米国や韓国、日本への敵意に満ちている」との強い不快感を示す発言に加え、トランプ氏からも「北朝鮮で起きていることを緊密に注視、何かが進行している場合は失望する」とのコメントが発せられた。ジワリと緊張感が高まってきた感もある。
<< 欧米市場の見通し >>
今月だけで2度止まっている109.70-75円をレンジ上限に、足もとはボックス相場の様相をたどっている感を否めない。しかし、昨日のNY時間にNYダウが史上最高値を更新したことなどもあり、ドルは一旦仕切り直しとなっていたレンジ上限越えが再始動となったようだ。あくまでも株価次第だが、前述した109.70-75円を超えれば、再び110円トライが視界内に捉えられかねず、薄商いのなかドルは一段高をたどる可能性もある。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気になる継続案件が少なくない。いずれも注意を要するが、貿易問題を中心に多くの不安要因を抱える「米中情勢」のほか、クリスマスを目前に控えた「北朝鮮情勢」が気掛かり。後者については、1週間程度のあいだに2度の「重大実験」が観測されており、以前に北朝鮮が指摘した「クリスマスプレゼント」として、ロケットを発射する危険性などが少しずつ高まっていると警戒感を抱く向きも少なくない。
テクニカルに見た場合、今月2日に記録した月間高値109.73円をトライするも失敗に終わった感があったが、早くも3度目のトライを視界内に捉えた動きとなっている。NYダウなど米株の動き如何では、今日明日にもドルは再び上値を試す可能性も。109.73円の月間高値を超えると、次の抵抗は110円レベル。それも越えると、フィボナッチを参考にしたテクニカルポイント110円半ばがターゲットとなりそうだ。
一方、11月の住宅着工件数や同鉱工業生産などの米経済指標が発表されるほか、ローゼングレン・ボストン連銀総裁やウィリアムズNY連銀総裁による講演や記者会見といった発言機会が注視されている。たとえば、強めの米経済指標を受けて米株が続伸、そしてドル高も進展−−といった好循環を期待する声もあり、予断は許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.20-90円。ドル高・円安方向は、引き続き先週末高値の109.71円、そして月間高値109.73円をめぐる攻防にまずは注視。超えれば、心理抵抗の110円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、弱いサポートが位置する109.20円レベルが最初の下値メド。下回っても、109円の少し下には移動平均の25日線や200日線が位置するなど、依然として底堅いイメージに変化はみられない。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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