<< 東京市場の動き >>
11日の東京市場は、引き続きレンジ取引。値幅は20ポイント程度と狭いが、一時乱高下をたどったものの続かず。そののち、動意は急速に途絶えた。
ドル/円は108.70-75円で寄り付いたのち、108.85円レベルへとドルが小幅高。日経平均やNYダウ先物など日米株価が堅調に推移したことが好感された。しかし、ドル高の流れは続かず軟化に転じると「行って来い」。日中安値である108.65円レベルまで下落すると、その後は108.70-80円程度のレンジ内での一進一退、明確な方向性は乏しかった。16時時点では108.70-75円で推移、欧米市場を迎えている。
材料的に注視されていたものは、「米中通商協議」と「北朝鮮情勢」について。
前者はまたもや、様々な要人発言や報道が入り乱れ、百花繚乱の様相。米商務長官から「対中追加関税発動より、よい合意が重要」といった発言が聞かれるなか、ブルームバーグなど複数の通信社が「15日予定の米関税見送りを想定」と報じ、市場ではドルの買い材料に。しかし、そののち米紙WSJは若干異なるニュアンスの「関税発動延期検討もトランプ氏の決断次第」と指摘。また米NEC委員長が「対中追加関税延期、最終決定に至っていない」、ナバロ大統領補佐官「合意するかどうかは中国次第」と述べたことで、合意期待は急速に萎む格好となった。
<< 欧米市場の見通し >>
108.40-109.00円という、わずか60ポイント程度のレンジ相場も1週間を超え、ドル/円は膠着感を強めている。そんなレンジ取引がいましばらく続く可能性も否定できないが、本日はNY時間に注目のFOMCの結果発表とFRB議長の記者会見が実施される予定だ。前後の時間帯は荒れ模様の動きも予想され、レンジブレークに向けた動きが観測されるのでは、といった期待感を抱く声も聞かれた。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気になる継続案件が目白押し。いずれも注意を要するが、本日ということでは「米金融政策」と、いまだ予断の許さない「米中情勢」か。ちなみに、前者については米FOMCで「政策金利据え置き」が発表されるとともに、現在の金利が適切との見方が示されるとの指摘が大勢となっている。ただ、トランプ氏によるプレッシャーもあり何か変化があるのか、その内容如何によっては金融市場がたとえ一時的にせよ荒れる可能性もありそうだ。
テクニカルに見た場合、いまだ108.40-109.00円というおよそ60ポイント程度のレンジ内で一進一退。目先の明確な方向性は乏しいが、材料的には本日レンジ放れを試す可能性が取り沙汰されている。
上抜けた際には109.20円や月間高値の109.73円などがターゲットとなる反面、下方向に振れれば11月14日安値の108.23円、あるいは11月安値107.89円などが意識されそうだ。
これから11月の米消費者物価指数が発表される予定となっている。通常であれば比較的関心の高い物価指標なのだが、本日はそののちFOMCの結果発表などが実施されることで影響は限定的か。
なお、それとは別に大詰めを迎えている「英総選挙」に関する報道や発言に要注意。一部調査によると、「与党保守党が過半数確保の見込み」とされるが、まだまだ予断は許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-109.20円。ドル高・円安方向は、ここ1週間程度のレンジ上限である109円レベルが最初の抵抗。超えれば、109.20円や月間高値の109.73円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週安値108.43円を割り込めるか否かにまずは注目。下回った場合には11月14日安値の108.23円、あるいは11月安値107.89円などを目指しドルが続落する展開か。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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