今週は材料目白押し、波乱の可能性も!?(週報12月2週)

先週のドル/円は、ドルが急反落。5月23日以来の110円台回復が期待されたものの結局上値トライに失敗、むしろ週末にかけてはドル売りが進む格好となった。

今週は材料目白押し、波乱の可能性も!?(週報12月2週)

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先週のドル/円は、ドルが急反落。5月23日以来の110円台回復が期待されたものの結局上値トライに失敗、むしろ週末にかけてはドル売りが進む格好となった。

前週末には、「香港でデモが再び激化、警察は催涙弾を使用」と報じられるなど、中国をめぐる混乱は収まらず。また、朝鮮中央通信が「北朝鮮高官が安倍首相を名指しで批判、ミサイル再発射も示唆」−−と報じるなか、週明けの為替市場がオープンした。

ドル/円は前週末のNYクローズと大差ない109.45-50円で寄り付いたのち、当初はドル買いが先行。週間高値となる109.73円を示現したが続かず。その後は徐々に下値を崩す展開をたどると、108.43円まで一時は1円を超える下げ幅を記録している。週末にかけてドルはやや下げ渋るも、上値はすでに重い。予想値を大きく上回る11月の米雇用統計発表でも、レンジを超えることが出来なかった。結局、週末NYは108.55-60円のドル安値圏で取引を終え越週した。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「米中通商協議」と「NATO首脳会議におけるお喋りトランプの発言」について。
前者は、合意への期待と失望が連日入れ替わるような猫の目相場。週初は米ニュースサイトのアクシオスが「米中通商協議が香港人権・民主主義法が原因で行き詰まった」と指摘。続いてロス商務長官が「トランプ氏は中国と合意なければ関税を引き上げる」、トランプ米大統領自身も「対中交渉は来年の米大統領選まで待ったほうが良いかもしれない」と発言していた。しかし、そののち一転してブルームバーグが「米中貿易協議は合意に近づく」と楽観的な見通しを示すなか、トランプ氏からも「中国との交渉は非常に順調」と前言を翻すかのようなコメントが聞かれている。

それに対して後者は、4-5日に開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席したトランプ氏による、様々な発言が話題に。たとえば、「在日米軍の駐留経費負担をめぐって安倍首相に負担増を要求」、「フランスのワインをはじめ、すべてに制裁関税を課す」、「北朝鮮に軍事力を行使する必要がある場合は使っていく」、「欧州加盟各国のNATO国防費の増額が十分ではない」、「12日の英下院総選挙には干渉しない」−−など。ただ、過激な発言が続いたこともあり、孤立無援な状況に追い込まれた感も否めず、そのためか会議終了後の記者会見をドタキャンして帰国したと報じられていた。

<< 今週の見通し >>

マーケットを取り巻く要因として「米中通商協議」の行方がもっとも注視されているが、要人発言や報道は二転三転どころか、五転も六転もしており、状況はいまだ混とんとしている。15日に期限切れを迎える米国による対中国製品追加関税は、どちらに転んでも不思議はない。なお、それ以外でも今週は一週間を通して注目要因が目白押し。クリスマス前最後の動意が見込まれる週として、期待半分で波乱含みの乱高下を予想する。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「北朝鮮情勢」など様々な注目要因があり、そのいずれも要注意。ただ、とくにとなると基本的には「米金融政策(FOMC会合=10-11日)」、「英総選挙(12日)」、「米中通商協議(15日が追加関税の発動期限)」−−の3つに集約出来るのかもしれない。うち、最初に指摘した「米金融政策」については、先週末に発表された米雇用統計が非常に良好で「改めて利下げ見送りと当面の利下げ停止示唆が指摘される」といった見方をする向きが多いものの、トランプ氏からの強い「利下げ圧力」もあり、予断は許さないとする慎重派も少なくない。どちらの結果が出たにせよ、週前半のマーケットの波乱要因となる。

テクニカルに見た場合、先週は週初に109.73円を示現し、直近の戻り高値を更新したものの続かず。その後は108円半ばまで、1円以上も押し戻される展開をたどっている。ドルの上値トライが失敗に終わり、取り敢えず仕切り直しとなった感は否めないが、このまま続落するか否かはまだわからない。先週安値の108.43円、あるいは11月14日安値の108.23円などがサポートとして寄与するようだと、年内は108.20-109.20円といったようなレンジ内で終始する可能性もある。

一方、材料的に見た場合、11月の消費者物価指数をはじめとする米経済指標が幾つか発表されるが、全般的には小粒で影響もそれほど大きくなさそう。それよりむしろ、前段で取り上げた「米FOMC(とFRB議長会見)」や「米国による対中国製品追加関税の判断期限」に要注意。
また、「英総選挙」のほかにも、「ECBの金融政策発表」や「EU首脳会議」など欧州関係の注目要因も少なくない。

そんな今週のドル/円予想レンジは、107.50-109.50円。ドル高・円安については、先週再び下回ってきた移動平均の25日線や200日線などが位置する108.85-95円をめぐる攻防にまずは注視。しっかり超えれば、先週高値109.73円が視界内に。
対するドル安・円高方向は、先週安値の108.43円、あるいは11月14日安値の108.23円などをめぐる攻防に注視。割り込めば11月安値の107.89円がターゲットとして意識されそうだ。

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