ドル円、米中楽観報道で急上昇。冴えない米経済指標への反応は限定的(12/5朝)

4日(水)の海外市場でドル円は急伸。

ドル円、米中楽観報道で急上昇。冴えない米経済指標への反応は限定的(12/5朝)

ドル円、米中楽観報道で急上昇。冴えない米経済指標への反応は限定的

海外時間の為替概況

4日(水)の海外市場でドル円は急伸。@米中リスク再燃を背景に、欧州時間朝方に安値108.43まで下げ幅を広げるも、A108.20ー30近辺に位置するサポート(11/21安値108.28、11/14安値108.25、一目均衡表雲上限108.20)に続落を阻まれると、B一部通信社による「米中第1段階合意に盛り込む関税撤廃の規模で両国が合意に近づいている」との報道や、Cトランプ米大統領による「米中協議は極めて順調」との発言、D上記BCを受けた米株高(米ダウ平均は一時前日比224ドル高)・米長期金利上昇(米10年債利回りは1.70%→1.79%へ)の流れが支援材料となり、米国時間引けにかけて、高値108.96まで上値を伸ばしました。注目された米・11月ADP雇用統計(結果6.7万人、予想14.0万人)、米・11月ISM非製造業景況指数(結果53.9、予想54.5)は共に冴えない結果となりましたが、ドル安・円高への反応は限定的なものに留まりました。

ユーロドル相場は上昇後に急反落。@米中リスク再燃を背景に、欧州時間朝方に安値1.1067を記録するも、A冴えない米経済指標を受けたドル売りや、B「米中第1段階合意に盛り込む関税撤廃の規模で両国が合意に近づいている」との一部報道を受けたリスク選好のクロス円買いが支援材料となると、11/5以来、約1ヶ月ぶり高値となる1.1114まで上昇しました。もっとも、その後は米長期金利の上昇に押される形で急反落。本稿執筆時点(日本時間4時20分現在)では、1.1070近辺まで下落するなど、日通し安値1.1067に迫る動きとなっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は欧州時間序盤に約2週間ぶり安値108.43を記録するも、11/21安値108.28、11/14安値108.25、一目均衡表雲上限108.20に続落を阻まれると、引けにかけて108.96まで急伸しました。実体部分の長い下髭陽線を作ったことから、テクニカル的に見て「地合いの強さ」が確認されます(俄かショート勢のロスカットを巻き込んだ一時的な上昇の可能性もあり)。目先は市場参加者が注目する200日移動平均線(108.89)を巡る攻防に注目が集まりそうです。

一方、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米ファンダメンタルズの悪化(12/2のISM製造業景況指数に続いて、12/4のADP雇用統計、ISM非製造業景況指数が軒並み冴えない結果)、C米中協議を巡る先行き不安(米中報道は今週も二転三転)、D世界的な貿易戦争リスクなど、ドル安・円高に繋がり易い材料が増えつつあります。

ドル円はテクニカル的に「底堅さ」を見せつつも、ファンダメンタルズ的な「弱さ」が続伸を阻む展開が予想されます。109円台前半では戻り売りが強まると見られ、一方向の上昇も想定しづらい状況です。本日も米経済指標や、トランプ米大統領発言、米中を巡るヘッドライン、グローバルな株価・金利動向を睨みながらの神経質な展開が続きそうです(リスクは依然下向き。反落リスクに要警戒)。

本日の予想レンジ:108.50ー109.30

ドル円、米中楽観報道で急上昇。冴えない米経済指標への反応は限定的

ドル円日足

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