来週の為替相場見通し 『米中報道と米雇用統計に注目。結果次第で反落の恐れも』(11/30朝)

今週のドル円相場は、週初108.72で寄り付いた後、早々に週間安値108.64まで下落しました。

来週の為替相場見通し 『米中報道と米雇用統計に注目。結果次第で反落の恐れも』(11/30朝)

『米中報道と米雇用統計に注目。結果次第で反落の恐れも』

今週のレビュー(11/25−11/29)

<ドル円相場>
今週のドル円相場は、週初108.72で寄り付いた後、早々に週間安値108.64まで下落しました。しかし、一目均衡表基準線や同転換線にサポートされると、@中国共産党機関紙・人民日報傘下の環境時報による「米中の第1段階合意が非常に近づいている」との報道や、A香港情勢の改善期待、B新華社通信による「劉鶴中国副首相はライトハイザー米通商代表部代表やムニューシン米財務長官と電話会談を実施」との報道、C良好な米経済指標(ダラス連銀製造業景況指数、新築住宅販売件数、耐久財受注、第3四半期GDPなど)、

Dトランプ米大統領による「中国の習近平国家主席と話し合い、貿易合意を模索している」との発言、Eリスク選好ムードを背景とした米株高(史上最高値更新)・米長期金利上昇の流れが支援材料となり、週末にかけては(米感謝祭明けの11/29)、約半年ぶり高値となる109.68まで上昇しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では109.47付近で推移しております。

<ユーロドル相場>
今週のユーロドル相場は、週初1.1024で寄り付いた後、早々に週間高値1.1033まで上昇しました。しかし、@米中合意期待を背景とした「米株高・ドル高」の流れが重石となると、AECBによる根強い追加緩和観測や、B良好な米経済指標の結果も重なり、週末にかけては、10/10以来、約1ヶ月半ぶり安値となる1.0982まで下げ幅を広げました。もっとも、1.10割れでは押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、引けにかけて持ち直す展開に。本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では1.1017近辺まで反発しております。尚、今週は米感謝祭(サンクスギビングデー)で市場参加者が激減する中、週間値幅(週間高値と週間安値の差)は僅か51pipsに留まりました。

来週の見通し(12/2−12/6)

<ドル円相場>
ドル円は週末にかけて上昇し、約半年ぶり高値109.68を記録しました。この間、200日移動平均線や、心理的節目109円丁度、11/8高値109.48や、11/7高値109.50を次々に突破するなど、テクニカル的に見て、「力強さ」が確認されます。目先は、5/30高値109.94や、心理的節目110円丁度(5/23以来)を試す動きも視野に入ります。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク(12/4に弾劾調査の公聴会を開催予定)、B米経済の先行き不透明感、C米中協議を巡る先行き不安など、ドル安・円高に繋がり易い材料が残っています。特に上記Cについては、楽観と悲観が二転三転するなど、最終合意に至るまでは予断を許さない神経質な地合いが続くと考えられます(=直近では11/26に香港人権法案が成立し、中国政府は報復措置の構えを示唆。報復措置の内容次第では米中対立リスクが一段と広がる恐れもあり)。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的に「底堅さ」が見られるものの、ファンダメンタルズ的な「弱さ」が続伸を阻む展開が予想されます。米中関連報道はこれまでも二転三転しており、ヘッドライン次第でリスクオンにもリスクオフにもなり得る不安定な状態です。香港人権法案成立に対する中国政府の報復措置の内容も気がかりであり、来週は、米中を巡るヘッドラインや、米経済指標(ISM製造業景況指数や、ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、非農業部門雇用者数、ミシガン大消費者信頼感指数など)を睨みながらも、上値の重い展開が続くと予想いたします(上値トライ後の急反落リスクに警戒)。

ドル円の予想レンジ:107.75ー110.25

ユーロドル相場は週末にかけて1.0982まで下落し、約1ヶ月半ぶり安値を更新しました。強い売りシグナルを表す三役逆転も継続するなど、テクニカル的に見て「上値の重さ」が意識されるチャート形状です(引けにかけて持ち直すも上値は重く、一目均衡表雲下限が確りレジスタンスとして機能)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@欧米対立リスク(EU自動車を巡る貿易摩擦懸念が燻っている他、12/2には米政府がフランスのデジタル課税に対する報復措置を発表予定)、Aユーロ圏経済及び物価の先行き不透明感、Bイタリアの財政悪化問題、C英総選挙(12/12投開票)を巡る先行き不安、DECBによる追加緩和観測(ラガルド新体制下での金融緩和スタンスの継続)など、ユーロ売りに繋がり易い材料が多く残っています。

以上の通り、ユーロドル相場はテクニカル的にもファンダメンタルズ的にも「下落リスク」が警戒されます。来週は欧州当局者発言(12/2のラガルド総裁発言など)や、欧米経済指標(ユーロ圏・生産者物価指数、ユーロ圏・小売売上高・ユーロ圏・第3四半期GDP、米・ISM製造業景況指数や、米・ISM非製造業景況指数、米・非農業部門雇用者数など)を睨みながらも、上値の重い展開(一目均衡表雲をバックに戻り売りが強まる展開)を予想いたします。状況次第では10/1に記録した年初来安値1.0879トライも視野に入ります。

ユーロドルの予想レンジ:1.0900−1.1100

ユーロドルの予想レンジ:1.0900−1.1100

『米中報道と米雇用統計に注目。結果次第で反落の恐れも』

ドル円日足

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