ドル円、米感謝祭で商い閑散。香港人権法案可決で一時下落するも限定的
海外時間の為替概況
28日(木)の外国為替市場でドル円は下落後に反発。前日27日(水)に約半年ぶり高値109.61を記録したドル円は、「トランプ米大統署の署名を経て香港人権法案が成立」との報道(=米中リスク再燃を想起)を受けて下落に転じ、日本時間朝方には一時109.35まで下げ幅を広げました(※中国外務省はこれに対し声明で「中国の内政に著しく干渉しており、中国政府と国民は断固反対。中国は必ず報復する」として、報復措置も辞さない構えを示しました)。しかし、同水準(109.40割れの水準)では押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、海外勢参入後に持ち直す展開に。米国時間には一時109.55まで上値を伸ばす場面も見られました。もっとも、米感謝祭(サンクスギビングデー)で市場参加者に乏しい中、前日高値109.61には一歩届かず。本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では109.52近辺で推移しております。
一方、ユーロドル相場は1日を通して狭いレンジ内で推移。香港人権法案の署名・成立を受けて対主要通貨で「ドル売り」が広がる中、欧州時間序盤にかけて、一時1.1019まで上昇しました。しかし、同水準では上値も重く、伸び悩むと、米国時間入り後に反落。一時1.1000まで下落する場面も見られました。もっとも、米感謝祭(サンクスギビングデー)で市場参加者に乏しい中、方向感見出せず。本稿執筆時点(日本時間4時35分現在)では1.1006近辺で推移するなど、1日の値幅(高値と安値の差)が僅か19pipsに留まる膠着状態が続いております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は日本時間朝方に一時109.35まで下落するも、その後持ち直す展開となりました(高値109.55)。テクニカル的に見て「下値の堅さ」が意識されるチャート形状となっております。目先は、前日高値109.61や、5/30高値109.94や、5/24以来となる心理的節目110円乗せが視野に入ります。しかし、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米経済の先行き不透明感、C米中協議を巡る先行き不安(香港人権法案の成立を受けて米中対立リスクが再燃)など、ドル安・円高に繋がり易い材料がまだまだ多く残っています。
ドル円はテクニカル主導で「底堅い動き」が見られるものの、ファンダメンタルズ的な「弱さ」が続伸を阻む展開が予想されます。香港人権法案が成立したことで、「中国政府による報復措置発表→米中リスク再燃→米中貿易協議難航→リスク選好ムード後退→グローバルな株安→ドル売り・円買い」への波及も警戒されます。本日も米中報道(特に中国の報復措置の内容)を睨みながらの神経質な展開が続くと見られ、米感謝祭明けのドル安・円高に警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:109.10ー109.80
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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