米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(27日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容になっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は11月18日以前までとなっています。
(全般的な経済活動)
経済活動は10月から11月中旬にかけて緩やかに拡大した。これは前回の報告期間で見られたペースと同じである。ほとんどの地区が緩やかに伸びている消費支出、自動車販売の増加、幾つかの地区での観光業の増加により安定的であると報告している。製造業においては、ほとんどの地区で前回よりは拡大していると報告している。ただ、大部分は依然として成長を確認していない。輸送業は地区により混在している。銀行部門からの報告によれば、幾分ローン残高の伸びが鈍化したと報告している。住宅販売はほとんど横這いである。居住者用建設は前回報告よりは幅広く伸びた。非居住者用家屋の建設とリースは緩やかなペースで拡大している。農業はほとんど変わらなかった。天候や低穀物価格により痛んでいる。見通しは全般的にポジティブである。現行のペースが来年も続くとの見込みである。
(雇用と賃金)
雇用は全般的に引き続き緩やかに上昇している。米国の幾つかの地域で雇用はタイトであり、相対的に、ヘルスケア含め熟練労働や技術業務に関する強い伸びがあると記載している。製造業の雇用に関しては混在している。幾つかの地区で頭数の伸びが見られ、その他の地域では安定的と報告され、1つの地域でレイオフがあった。小売や卸売のレベルで労働力の減少があったとの報告がされた。ほとんどの地区で高熟練者の不足で雇用が難しく、労働市場はタイトであると記載している。労働者不足はほとんどの産業や熟練労働者水準で広がった。フル稼働できないことが企業の成長を抑えているとの記載もあった。賃金圧力は低熟練労働の状況で高まっている。
(物価)
物価はこの期間、緩やかなペースで上昇した。製造業部門でかかるコストと製品価格との間で混在しているとの記載があった。幾つかの地区で価格低下を指摘する一方で、コスト上昇圧力や幾分変化があったと言及している。小売業者はコスト上昇に言及しており、幾つかの地区で価格に転嫁されている。高まるコストをカバーするために価格上げする企業の動きはまだ限定的である。サービス部門の価格はほとんど横這いか上げである。エネルギーや鉄鋼価格は横這いか下がった。建設資材や農業産品価格は混在しているとの記載だった。全般的に企業は先々価格が上昇すると予想している。
(以下、地区毎の詳細は略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
内容的には前回10月中旬のベージュブックと比べ、経済にポジティブな記述が多くなり、コスト上昇を将来には製品価格にも転嫁していく可能性を指摘しており、物価も上昇気味に予想しています。これで製造業が回復すると利下げ自体の議論が少なくなると思われます。
さて、ベージュブック後のCMEFedwatchを比較してみます。
(現在のFFレートは1.50〜1.75%レンジになっています。)
11月21日のFOMC議事要旨から6日にしか経過していませんが、僅かながらも利上げを視野にいれた予想が出てきています。この6日間で10年債金利は1.77%と変わっていませんが、今後10年債金利に影響が出てくると、ドルは底固い展開になりそうです。
(2019年11月28日12:30、1ドル=109円42銭、1ユーロ=1.1006ドル)
チャートを見ると、現状では若干乖離幅が広がり、為替が先行してドル高になっているのに対し、10年債金利は横這いを続けています。今後は青い線がオレンジに近付く動きになるのか、オレンジの線が青に近づくのか、まずはブラックフライデーの数値が注目されます。
尚、11月26日付「パウエルFRB議長講演」内にある相場見通しのドル高ウェッジは今日現在108円57銭〜109円92銭にあります。
オーダー/ポジション状況
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